Mr. Bungle「Mr. Bungle」 [ロック]
友人「T」からの借り物CD。
下品でおちゃらけて、しかも人を小馬鹿にしたようなヴォーカル。しかしサウンドはタイトでハードロックを基調(左右のチャンネルの両方からガチガチに歪んだエレキギターの音がする)にしているが、ファンク(最近こういうのなんて言うの?)っぽい音やスカを思わせるホーンセクションが鳴ったりする。プログレっぽいテイストもある。それが縦横無尽とでも言っていいような自由奔放なスタイルにまとまっている。非常に巧い。
しかし、なぜか萌えないのよね。どんなに奇抜でも演奏がヘタなバンドはそれだけで聴く気がしなくなるので友人「T」からは偏狭であると指摘を受けることがあったが、これは逆。すごく巧くて個性的なんだけどねえ。
まず、いろんなもののごた混ぜの上に成り立っているので、結局このバンドの真に個性的な部分がどこにあるのか、というのが解りにくい。それとやっぱり音楽の姿勢として、なんと言うか要するに現状肯定的で、追認的なところが気に入らん。「おれたちゃ巧いだろ、どうだ」で問題意識が不足しているというように聴こえる。いろんなスタイルの音楽を操るし、それこそ文字にするのが憚られるような下品な音も鳴らすが、それがやっぱり「おれたちゃ何でもできるんだぜ、どうだ」に収束しているように聴こえる。
下品な音を使うことでそれ以外のお上品な音楽に疑問を投げているのではなく、「こんな音を使ってもちゃんとCDを売り上げるんだぜ」と言っているように聴こえるのよね。
このブログを読んでしかもMr.Bungleのファンだという人からの反論を訊きたい。確率の積になるので人数の期待値は0.0003人ぐらいだと思われるが。
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