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照度分布計算その17 - 完成としよう [回折による照度分布計算]

回折による照度分布計算。デバグは終わったとして結果を出す。

前回やったパラメータで、レーザは普通のGaussianプロファイル(半値全幅が1mm)として、φ100mmの基板が光軸から中心が60mm偏芯してさらに60°傾いている場合

In[11]:= params = {fftSize -> 512, fwhmh -> 1, fwhmv -> 1, 
   lambda -> 1, pupilAreaSize -> 40, focalLengthOfConversion -> 10, 
   apertureDiameter -> 1.22*2, pinholeDiameter -> 10, 
   substrateDiameter -> 100, outputMeshStep -> 2, 
   substrateAngle -> 60, substrateDecenter -> 60, distance -> 1000, 
   outputIntensityPlane -> 1, outputDirectIllumination -> 1};
In[12]:= t = RunThrough["./a.out", params];
In[13]:= mx = Max[Map[Last, outputDirectIllumination /. t, 1]]
Out[13]= 8.67757*10^-7
In[14]:= ListPlot3D[outputDirectIllumination /. t, PlotRange -> {0, mx}]

0709fig1.png
In[15]:= ListContourPlot[outputDirectIllumination /. t, PlotRange -> {0, mx}, Contours -> 10]

0709fig2.png
ということで、光軸は基板の左側の外にあるので、基板上で一番強度の強いところに較べて端の方では40%以上落ちている。これがなるべく均一になる条件を探したい。

いくつか試してみて例えばこんな条件を見つけた。

In[16]:= params = {apertureShifth ->-0.20,fftSize -> 512,fwhmh ->1, 
   fwhmv -> 1, lambda -> 1, pupilAreaSize -> 40, 
   focalLengthOfConversion -> 10, apertureDiameter -> 1.22*2*1.55, 
   pinholeDiameter -> 10, substrateDiameter -> 100, 
   outputMeshStep -> 2, substrateAngle -> 60, substrateDecenter -> 60,
    distance -> 1000, outputIntensityPlane -> 1, 
   outputDirectIllumination -> 1};
アパチャの径をエアリーのディスクの1.55倍にして、アパチャをレーザのGaussian型の強度分布の中心からちょっと(0.2mm)ずらしてやる。そうすると
In[17]:= t = RunThrough["./a.out", params];
In[18]:= ArrayPlot[matrixTakeFourier2D[outputIntensityPlane /. t, 40], 
 ColorFunction -> GrayLevel]

0709fig5.png
というふうに、ピンホールから出てきた強度分布は、頭がつぶれて、ちょっと非対称になる。この場合、基板上の照度分布は
In[19]:= mx = Max[Map[Last, outputDirectIllumination /. t, 1]]
Out[19]= 4.77213*10^-7
In[20]:= ListPlot3D[outputDirectIllumination /. t, PlotRange -> {0, mx}]

0709fig3.png
In[21]:= ListContourPlot[outputDirectIllumination /. t, PlotRange -> {0, mx},Contours -> 100]

0709fig4.png
となって、基板上の最大強度のところから2%落ちですむ(等高線を百本引いているので一本で1%)。ただし、最大強度はもとの何もしない場合の半分に下がってしまうけど。ほんとの僕の問題ではもうひとつ要素があって制限条件が多くて結果が違ってくるけど、計算過程としては変わりない。

このあと何回も計算するようならMathematicaをフロントエンドにするのではなくて、ちゃんとウィンドウを開いてダイアログからパラメータの値を入力して、グラフィカルに結果を表示して、というのも書くべきだけど、とりあえず結果が出ればいいので、ソフトウェアとしては出来上がりとしよう。

このあとはもうちょっとパラメータを振ってみて、均一でかつ、なるべく強度落ちが少なくてすんで、しかもアラインメントが簡単(トレランスがなるべく広い)ところを探せばいい。同じ試行錯誤でも実験でアパチャの位置を0.2mm動かしたとして、もう一度0の位置に戻すことは難しい。そもそも現物の光学系で光軸なんて言うものは存在しない(ずっと昔、会社で現物のレンズを指差して「光軸ってどれですか」と訊いてきた新人がいた。ぶ、と笑ったら憮然としていたが彼はそのあとよその部署に異動してしまった)。しかも径が10μmやそこいらのピンホールを再現よく中心に持ってくる方法なんてない。

だから、チャチでもこういう計算をやって、見通しをつけてから現物の光学系に当たるべきである。これはこういう光学の問題に限ったことではないと思うよ。光学は(特にこの程度の低N.A.の問題であれば)計算とよく合うということはあるけど。

難しい物理を相手に仕事してる人たちはどうしても「そんな計算、合うわけないじゃん」と言うことが多い。たしかにそうなんだけど、おもちゃみたいな計算も現物との誤差が大きくてもなんでもいいからたまにはやってみた方がいい。こないだのKauffmanのように。そして今回の僕のように。おお、まるでKauffmanと同列に並んでるみたい。わはははは、ごほ、ごほごほ。


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