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偏光の計算 - その5 [偏光のMathematicaによる計算]

偏光の計算の続き。簡単なのになにやってたかすぐ忘れる。ああ、忘れそう。今日は偏光変換素子のポアンカレ球上での作用のこと。

波長板のポアンカレ球上での作用

昨日のようにジョーンズベクトルを使えば、偏光状態に影響する素子(そしてそれ以外の光の状態を変化させない素子)は一般的に2次元のベクトルに対する作用素として、2行2列のマトリクスで書ける。これをジョーンズマトリクスと言うことがある。例えば偏光を回転させる(どういう物理過程で回転するかはともかく)素子は、座標回転のマトリクス式-21で表すことができる。

昨日の進相軸がy方向を向いた1/4波長板をもう一度考えてみる。

0222eq23.png
これは、ある偏光を表すジョーンズベクトルのx成分はそのままで、y成分をi倍する、ということは位相δを
0222eq24.png
とする作用があることがわかる。

これは式-14を

0222eq25.png
とすることになる。

つまり、ストークスパラメータのs1は変えずにs2-s3平面内でπ/2だけ回転させることになる。

また、この1/4波長板の異方軸をθだけ回転させることは、同じ計算をやって式-14と比較すればいいのだけど、計算は煩わしいので結果だけ示すとポアンカレ球を相対的に-2θだけs1-s2軸面内で回転させることに対応する。

一般的に異方軸がθ、位相差がδの波長板(位相差板)は

  1. ポアンカレ球上で回転軸を2θの方向に向ける
  2. もとの偏光をその回転軸を中心にδだけポアンカレ球の上を回転させる
ことに対応する。

波長板の作用はジョーンズベクトルを使えば計算できるが、なかなか直感性に乏しく中途半端な楕円偏光を中途半端な方向を向いた波長板に通すと偏光がどうなるか、などということがポアンカレ球上では表面の上を回転させることになってわかりやすくなる(と、いっても3次元的な回転を頭の中に思い浮かべるのはそれなりに難しいけれど)。

0222fig2.png

図-2に

  1. 入射偏光P1に対して異方軸がθの角度にある
  2. 位相差δの波長板Φによって
  3. 入射偏光がP2に変化する
ようすをポアンカレ球上で追った軌跡を緑線で示す。


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