Zernike多項式 - その4 Zernike多項式を並べる [Zernike多項式のMathematica関数]
明日、娘の(おそらく最後の)ピアノの発表会なので横浜の自宅に帰っている。社会人一年生の娘は泊まり込み研修でしごかれているらしい。大学一年生の息子は明日土曜も講義があるらしい。誰も親父の相手をしてくれない。というわけで続きを書く。
前回、Zernike多項式の導出をおおざっぱにやって、ふたつの添字で多項式が区別されるけど、添字の組み合わせには制限があることを示した。何らかの方法で存在する多項式だけを指定できる方が使いやすい。今回はそのやりかた。
Zernike多項式の並べ方
Zernike多項式は以上のようにふたつの添字で区別されるので2次元に並べなければいけない。しかも前節で見たようにあるnとmの組み合わせにしか動径関数は存在しない。
具体的に比較的小さな添字に関して具体的な式を表-1にまとめる。
表の中で、点の打ってある(n,m)の組み合わせに対応する多項式はない。存在する(n,m)の組み合わせを考えながら多項式を選んでくるのは面倒なので、1次元のFourier級数のように一列に整列させる方が便利になる。でも、添字がふたつなので1列に整列させるやりかたはいろいろできてしまう。
一番簡単なのは
- n(ρに関する次数)の小さい順にまず並べる
- nの同じ多項式はmの小さい順に並べる
- 並べた順に番号をつけ直す
実はもっと収差と対応のつきやすい並べ方がある。
これは- n+|m|の小さい順に並べる
- n+|m|の値が同じ多項式はnの小さい順に並べる
- さらにm>0、m<0の順に並べる
- 並べた順に番号をつけ直す
これはもとはアリゾナ大で作られたソフトに始まるらしいけど、fringe orderと呼ぶ。
実際の収差ではあまりmの大きな、つまり瞳の周辺でひらひらするような収差は少ないので、standard orderよりも実際の収差に近いものが先に現れやすくなる。
このことは、例えば干渉計で実際に測定された収差をZernike多項式で展開したとき、fringe orderで並べた方が後の展開係数ほど小さくなる傾向がでることからもわかる。実用的な並べ方であると言うことができる。
ちなみにfringe orderという名前は干渉計屋さんのことばでは他の意味に使われることがあるので注意する必要がある。他の意味とは、干渉縞は波面収差の等高線を表しているが、どっちの向きに高くなっているか(位相が進んでいるか遅れているか)は縞だけからはわからない。縞のどちら側が高いか、をfringe orderと呼ぶことがある。干渉縞の写真から収差を解析する場合に、このfringe orderを縞ごとに別途与えてやらないと収差を再現することはできない。
デカルト座標による表現
「Zernike多項式の添字はどうやって決まっているか」の節の最初に書いたように、もともとデカルト座標に関する多項式を条件にしている。従って式-9のV(x,y)の形に書き直せる。
逆にRnm(ρ)の形からかならず直交座標の同じベキの多項式に書き直せると言う証明は簡単ではない。しかしはじめのいくつかの多項式を具体的に変換してみれば確かめることはできる。
実際にやってみると(fringe order で)
などとできることがわかる。ほかにも、もうちょっと面倒な多項式も などと書くことができる。次回は、これをMathematicaに実装する。Mathematicaだと代数計算ができるのですごく簡単になる部分がある。
すべてのことは、井戸が終了します。
by Coach Bags Outlet (2011-01-11 15:43)
コメントありがとうございます。
しかし意味が理解できません。Zernike多項式は井戸にどういう関係があるのでしょうか。
コーチのバッグはひとつ持っています。僕はカスタマであって井戸ではありません。
どうでもいいけど、ググると何カ所かに同じコメントがあります。なんなんでしょ?
by decafish (2011-01-11 20:27)