考え中 - Fourier領域と実領域の光(2) [考え中 - FDTD法の実装]
また、おもいつきで始めたFDTDからの脱線。
FDTDの最初のほうでもやったけど、もう一度電磁場の基礎方程式であるMaxwellの方程式のおさらいをする。
Maxwellの方程式
Maxwellの方程式(MKSA単位系で、って最近はSI単位っていうんだっけ)は
と書ける。式-1から4は5つのベクトル場と1つのスカラ場の量に関する基本的な方程式で余計な制限はつかない。古典論のレベルではつねに成り立つと考えていい。一方、式-5から7は物質方程式、あるいは現象論的な式と呼ばれるもので、物質と電磁場の相互作用の結果を表現したもの。原理的には式-1から4と、運動方程式などの物質の電磁場に対する振る舞いを記述する方程式との組み合わせで表現されるべきものを、電磁気学の範囲に収めるための式と考えられる。
例えば、本来は物質の内部などの電磁場を記述するためには、物質を構成している原子核や電子が電場によって動きが変わって分極などを起こす、というようなミクロな現象を記述しなければいけない。
それでは不便なので、電磁場だけがあらわにでるように物質の挙動をμやεに繰り込んでしまったものである。
従って物質方程式の方は対象としている物質の挙動が変われば式は変わり、常に成り立つとは限らない。例えば非線形材料では、
などと書かれることになる(E2はEの要素それぞれの2乗をとるとする。この書き方はもう二度と使わない)。また、非等方な材料ではε1がテンソルになる。物質方程式
この物質方程式をもう少し考えてみる。例えば
で、光物性とはこの式をあれこれいじり回す分野だと言ってもいい。この物質方程式は何を表しているのか、を考えてそのあと、εの性質を調べることにする。
2009-06-07 22:30
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