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考え中 - Fourier領域と実領域の光(10) [考え中 - FDTD法の実装]

真空の場合、無限に広がった時空間では平面波というものがMaxwellの方程式の解になった。同じようにMaxwellの方程式に含まれている導電率σが0でない場合を前回考えてみたが、その場合では平面波は解にはならないということを示した。ではどんな解があるのか。

解がありそうな条件にしぼる

ということで無限に広がった時空間での解をFourier展開するのはあきらめて特別な場合を解いてみる。

図-2に示すようにx=3の平面で違った媒質が接しているとする。

0625fig2.png
x<0の側では式-21(σ=0)が成り立って、場はFourier展開でてきるとする。x>0では式-62(σ≠0)の媒質で、境界を越えて場がx>0の側にも透過してくる。しかしこちら側ではσが0でないので、x<0の側でどんな場になっていようとx→∞では場は0になる。

境界面での場の連続性などを考慮するのは面倒なのでここでは境界のすぐ近くの電場Eb(0+,y,z,t)が与えられているとする。この電場はx<0の側の場によって発生しているとする。そしてx≳0の付近についてだけ式-72の解を考えてみる。これは方程式をEb(0+,y,z,t)を境界条件にして解く、ということになる。

別の言い方をすれば、x=0の平面がこちら側のx>0世界の果てで、あちら側のx<0の領域がどうなっているかは問わない。しかしこちら側ではσが0ではないのでエネルギーは方程式-72の舞台から退場していってしまい(この場合熱になる)、そのままでは場はいたるところで0になる。

これではつまらないので世界の果てx=0からエネルギーが流れ込み、消えてなくなる分をちょうど補っているとする。流れ込むエネルギーのある時間幅での平均は変化がない(準定常)とする。ε、μ、σがぜんぶ時間tにあらわには依存しないとしたので、こちら側の場も準定常になるはずである。

イメージを絵に描けば図-3のようになる。

0625fig3.png
すごく恣意的な条件に感じるけど、式-72の一般の初期値問題は「あっという間に全部が0」という解しかない。その「あっという間」になにが起こるかを問題にすることもあるかもしれないけど、線形な媒質での光学現象に限ればそれほど面白いことはない。

ということで、この「あっという間には終わらない」場合を考えたのがこの条件ということになる。


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