考え中 - Fourier領域と実領域の光(11) [考え中 - FDTD法の実装]
媒質に損失がある場合のMaxwellの方程式から作った電信方程式には平面波で解を作ることができないので解のありそうな、しかも光学的な問題として準定常的な解が作れそうな特殊な境界条件を前回考えた。その条件とは半無限空間で境界から外部のエネルギーが流入してくるような場合。これはほんとに特殊な条件だろうか。
「あっという間には終わらない」条件での解の探索
準定常な条件設定をしたので、時間tに関してはFourier変換できると考える。そして準定常であってもどっちみち世界の反対側の果てでは場は0になってしまうはずなので、解をむりやりx→∞で0になるように
としてみる。指数関数はどんなベキよりもはやく0になるので、ほとんどの場合、有無を言わせずx→∞で0になる。また、指数関数は演算子としての微分や積分の固有関数でもある。ここで-lxのかわりに
のベクトルlとして と書くことにする。こうしておくとÊは遠くで発散しないかぎり(x→∞でÊ→∞とならないかぎり)、無限に広がっていてかまわない。ということでÊをFourier展開する。これならできるはず。
とする。従ってもとの場は これを式-72に代入してみる。 となって、これならl、k、ωが全部実でも解がある可能性がある。式-46と同じものを書くと
を満たせば解になる。kとlを一緒に書いて
とする。 ˆkは複素ベクトルとなる。 となって見た目は式-75と変わらなくなった。ただし、ベクトルˆkの成分のうち虚数部を持つのは厳密にx成分のみである。それ以外の成分が虚数部を持つと、遠く離れた場所で場は発散する。x方向にだけ空間が異方性を持っている(x>0だけを考えている)そういう特殊な条件を考えたので当然である。2009-06-26 22:00
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