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バッハ編曲の見直し [ギター - 変調弦によるバッハ編曲]

何年もかけてバッハのリュート曲を変調弦を採用した現代ギター用に編曲している。その目標は、技術的に困難なフレージングを、解放弦を経由することでバッハの意図を実現しやすい自然なものにすることである。

こないだ(といっても2年前だけど)新バッハ全集が完結した。これまで旧バッハ全集に基づいて編曲してきたけどそれを新バッハ全集に切り替えたかった。
ところがそれは経済的な問題から非常に困難だった。
新バッハ全集はベーレンライター社から出版されている。旧全集では「その他、あるいは不明の楽器」に分類されていたが新全集ではちゃんとリュート曲として分類されて、ブルーガー翁がリュート曲であると宣言したすべてがそこにある。

新バッハ全集の第5シリーズが「鍵盤およびリュートの作品」で、その第10巻にリュート曲が集められている。また校正レポートもセットで出ている。じつはこの巻はもう20年以上前に刊行されている。

ところがこれがなかなか簡単に見ることができない。第10巻の校正レポートは現在絶版状態(出たとき手に入れてれば、と後悔されるが、なんせドイツ語だし)。第10巻そのものはベーレンライター社から直接手に入れるしか方法は無くて、1冊105ユーロ。送料を含めるとおそらく一万五千円を超える。これはただのアマチュアのしかもリュート弾きでもないしがないサラリーマンにはつらい。しかもこんなのをぽろ、っと1冊だけ地球の東の端から買っても、違う巻が届いたり落丁してたり後半ページが水浸しだったりとか、絶対トラブるのは目に見えてるし。

ずっと図書館に無いかといろいろ探していた。宮城県内の公共図書館でこの巻を持っているところはなかった(楽譜を持っている図書館がほとんど無いということを今回初めて知った)。音楽科を持っている大学の図書館にもない(音楽科がそれでいいのか、と言う気もするけど)。

東京近郊の音大の図書館で持っているところがあるけど、一般に公開されていなかったり直接行かなければ貸してもらえない。仙台からでは交通費を考えると結局ベーレンライターから買った方が安くなる。

ということで、新バッハ全集に基づくのは状況の変化があるまでしばらくあきらめることにする。旧バッハ全集(BGA)の方はこれまでもパブドメとして公開されていたが、こないだ復活したIMSLPにPDFで、ちゃんとBWV番号のリンク付きで全部が揃った。すばらしい。今回、もういちどこれをもとにリバイズすることにする。

編曲もちんたらやってきたせいで、初めの頃のとあとのとでは
  1. Lilypondのversionが違ってページレイアウトの印象が違う
  2. 最初はブルーガー翁に従って装飾音符の多くを省略していたが、あとになるほど省略が減ってきてる
などの違いがある。そこでこういった統一も含めてやりなおす。

方針としては
  1. Lilypondのversionをそろえる
  2. 旧バッハ全集にある音は原則としてすべて再現する
  3. 物理的に不可能な音は変更した上で注釈をつける
  4. 技術的に困難な音は変更あるいは省略して注釈をつけるか、括弧付き音符にする
とする。 ようするに見た目を統一して、意識や気持ちだけでもバッハのオリジナル(旧バッハ全集だけど)になるべく近づこうと考えた。

まずBWV996から始めよう。
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