近軸光線追跡 - その4 [近軸光線追跡]
近軸理論のおさらい。昨日ちょっと寄り道したけど、今日は一番のキモである、Abbeの普遍式から近軸マトリクスを導くところをやる。といってもちょっとした書き換えだけ。
もういちど式-17を書いてみると、 面に光軸からの高さh1で光軸に対してυ1で入射する近軸光線を考える。 式-17に辺々h1をかけると であるから、 と書ける。
また、屈折とは別に図-6のように、 面と面の間の屈折率n1の均一な媒質内で光軸からの高さh1で光軸に対してυ1の角度を持った光線が光軸方向にある距離dだけ移動したときの高さh2は である。
ここで光線の光軸に対する角度を定義し直す。 単に媒質の屈折率をかけただけである。このνを換算角と呼ぶことにする。こうすると式-20と式-21は となる。
ここでひとつの光線giを とまとめて横ベクトルで書くことにする。そうすれば式-23は 式-24は とマトリクスのかけ算として書ける。ただしここで である。ϕを屈折力(Power)、l(エルell)を換算距離と呼ぶ。またマトリクスPを屈折マトリクス、Tを移行マトリクスと呼ぶことにする。これらのマトリクスを総称して近軸マトリクス(英語版Wikipediaには解説があるが、ベクトルの縦横の違い以外に定義が若干違っている。Wikipediaのやりかたはあまり美しくない、と僕は思う)と呼ぶ。
マトリクスでかけるということは面が何枚もある場合に入射側から番号をつけて とすればよい。計算は機械的にできる。
ここで番号の付け方を決めておく。全部でk枚の境界面があるとする。物体面を第0面、像面を第k+1とする(ということはレンズの最終面が第k面)。そして面iの屈折マトリクスをPi、面iと面i+1の間の空間に対応する移行マトリクスをTiとする。こうするとレンズ系全体のマトリクスMは となる。つまりレンズ系のマトリクスMには前後の移行マトリクスは含まれてない、ということに注意する。
レンズ系のマトリクスの要素を と書くことにする。
|P|=1、|T|=1であるから近軸マトリクスはつねに である。
4 近軸光線追跡の定式化
式-17(Abbeの普遍式)を使って、面の前後で近軸光線がどう屈折されるかを計算してみる。もういちど式-17を書いてみると、 面に光軸からの高さh1で光軸に対してυ1で入射する近軸光線を考える。 式-17に辺々h1をかけると であるから、 と書ける。
また、屈折とは別に図-6のように、 面と面の間の屈折率n1の均一な媒質内で光軸からの高さh1で光軸に対してυ1の角度を持った光線が光軸方向にある距離dだけ移動したときの高さh2は である。
ここで光線の光軸に対する角度を定義し直す。 単に媒質の屈折率をかけただけである。このνを換算角と呼ぶことにする。こうすると式-20と式-21は となる。
ここでひとつの光線giを とまとめて横ベクトルで書くことにする。そうすれば式-23は 式-24は とマトリクスのかけ算として書ける。ただしここで である。ϕを屈折力(Power)、l(エルell)を換算距離と呼ぶ。またマトリクスPを屈折マトリクス、Tを移行マトリクスと呼ぶことにする。これらのマトリクスを総称して近軸マトリクス(英語版Wikipediaには解説があるが、ベクトルの縦横の違い以外に定義が若干違っている。Wikipediaのやりかたはあまり美しくない、と僕は思う)と呼ぶ。
マトリクスでかけるということは面が何枚もある場合に入射側から番号をつけて とすればよい。計算は機械的にできる。
ここで番号の付け方を決めておく。全部でk枚の境界面があるとする。物体面を第0面、像面を第k+1とする(ということはレンズの最終面が第k面)。そして面iの屈折マトリクスをPi、面iと面i+1の間の空間に対応する移行マトリクスをTiとする。こうするとレンズ系全体のマトリクスMは となる。つまりレンズ系のマトリクスMには前後の移行マトリクスは含まれてない、ということに注意する。
レンズ系のマトリクスの要素を と書くことにする。
|P|=1、|T|=1であるから近軸マトリクスはつねに である。
2010-09-25 21:38
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