近軸光線追跡 - その6 [近軸光線追跡]
近軸マトリクスの続き。先日は共役点同士で定義できる倍率などが近軸マトリクスの要素の値を使ってどう書けるか、を整理した。
今日は残った焦点距離なんかの近軸量を一気に導いてしまおう。
なお、焦点位置、主点、節点、焦点距離はレンズ系単独で定義できるので物体と像の位置にはよらない。従ってl0やlkは含まれない。
さて、これでだいたい近軸マトリクスでできることはだいたい終わった。次回からこれをMathematicaの関数群として実装する。
今日は残った焦点距離なんかの近軸量を一気に導いてしまおう。
5.3 焦点位置
焦点位置は物体側と像側がある。どちらも反対側に平行光を入射させたときの光線が光軸と交わる点になる。位置は一番近い要素から測った距離である。もし、マトリクスが前後に移行マトリクスを持っていたらそこからの距離になる。なお、焦点位置、主点、節点、焦点距離はレンズ系単独で定義できるので物体と像の位置にはよらない。従ってl0やlkは含まれない。
5.3.1 像側焦点位置
像側の焦点位置S′F、つまり平行光を入射させたときに光軸と交わる点は としてhk+1=0となるlkを求めればいいので5.3.2 物体側焦点位置
物体側の焦点位置SFはそれと逆なので としてνk+1=0となるl0なので5.4 主点位置
主点位置は横倍率が1の共役点として定義される。横倍率の式から を解けばよい。5.4.1 像側主点位置
像側主点位置S′Pは5.4.2 物体側主点位置
物体側主点位置SPも同様に5.5 節点
節点は角倍率が1の共役点なので を解けばいい。5.5.1 像側節点位置
像側節点S′Nは5.5.2 物体側節点位置
物体側節点SNは 節点は物体側と像側の媒質が同じなら主点と一致する。5.6 焦点距離
焦点距離は主点から測った焦点位置である。5.6.1 像側焦点距離
像側焦点距離fbは5.6.2 物体側焦点距離
物体側焦点距離ffは同様に となって、これは換算距離では前後同じ値になる。さて、これでだいたい近軸マトリクスでできることはだいたい終わった。次回からこれをMathematicaの関数群として実装する。
2010-09-29 22:21
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