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ちょっと前の論文を読んでみる - その7 [趣味のメタマテリアル]

まず昨日、誘電率と透磁率の積が正でないと伝播波は存在しないことを確認した。どちらも正のときが普通の誘電体で、どちらも負のときがこのPendryさんの注目する媒質。

屈折率はその2乗が誘電率と透磁率の積になるけど、それだけでは符号は決まらない、というのが問題。やっぱりMaxwellの方程式に戻る必要がある。

そもそも、屈折率とはその媒質での光の速度の真空でのそれとの比だった、と思う。

1.1.2  光の速度とは何か

平面波
0825eq09.png
を考える。同じ位相の値を持つ点は、平面をなす。つまりCをある定数としてある時刻t0
0825eq10.png
を満たすような点の集合はrに関して解くことで求められる。これはあきらかにkに垂直な平面である。t0からt0tになったとき、この平面は平行移動する。この平行なふたつの平面の距離は、平面に垂直に測ると最短になるのでこれを平面間の距離と定義するのが素直である。t0t0tのときの平面の距離δrは、kに沿った方向に測って
0825eq11.png
だけ移動することになる。

ベクトル的な速度vを、単位時間あたりに移動した距離だと定義すると
0825eq12.png
となる。これは向きまで含めた平面波の伝播速度である。同じ位相になっている平面がどのくらいのスピードで移動するか、という速度なので位相速度と呼ばれる。

真空の場合のベクトル的な速度をcと書くことにすると
0825eq13.png
としたときnを屈折率と呼ぶ。式-13がベクトルからベクトルへの変換になっているので、nは一般には2階のテンソルである。cvが同じ向き(あるいは正反対の向き)を向いているときnはスカラで、スカラのn持つ媒質を等方的な媒質である、という。行列になる場合、いったい真空でのベクトル的な速度をどうとるか、という問題が出るので、ここではこれ以上突っ込まない。

本当は屈折率がテンソルになる異方性媒質では、この定義のしかたではダメで、誘電率テンソルに戻らないと議論できない。なんでこんな書き方をしてきたか、というと速度の符号を残したかったから、というだけ。もっとわかりやすい議論をしたかったけど思いつかなかった。

つまり、ようするに屈折率は、媒質での光の位相速度の真空との比である、として定義されている。そして屈折率が負であるということは位相速度が真空の場合とは逆、つまり後ろ向きに進むということになる。ではなぜ、誘電率と透磁率が両方とも負のときは屈折率が負になるのか、という本題にはいる。

ということろで乞うご期待!Stay Tuned! なんのこっちゃ。もうやけくそ。
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