Eduardo Sainz De La Mazaの楽譜を買った [ギター]
Eduardo Sainz De La Mazaのギター曲が最近のマイブームになってる。趣があって、でも指の運動学的に無理がなくてそれほど難しくない。最初「プラテロと私」という組曲が気に入って楽譜を探していた。ちなみに「プラテロと私」を題材にしたギター曲はカステルウオヴォ=テデスコのが有名だけど、そっちはすごく弾くのが難しい。テデスコはたくさんギター曲を書いたけど自身はギターが弾けず、監修にあたったギタリストによって難易度が極端に違う。その点はロドリゴと似ている。ふたりともギター曲としては超名曲が多いので残念ではある。
でもデラマーサ(エドゥアルドの方)は自身がギタリストでもあったので、ギターで効果の上がる音を選ぶことができた。ちなみにお兄さんのレヒーノもギタリスト兼作曲家だった。ロドリゴの協奏曲を初演したのはお兄さんのほう(レヒーノが監修しなかったら、かの名曲「アランフェス」もこれほどの名声は得られなかったかもしれない。それほどテクニックが音楽と馴染んでいる)。エドゥアルドはお兄さんと違ってドビュッシーに似た印象派風の音色も好きらしく、それが曲の彩りになっている。
ちまちまピースを買ってると高くついて仕方がないので、曲集を買った。それがひどかった....
ロンドンにある輸入代行業者から買って、時間はかかったけどちゃんと届いた。こんなの。
UNION MUSICAL EDICIONESというスペインはマドリドにあるらしい会社の楽譜。18曲70ページで、ページ単価が極端に安かったのでちょっと不安だったんだけど、中身を見たらその不安は的中してた。トリビアルな間違いだらけの酷い楽譜だった。
一番間違いの多いのが「Homenaje a Toulouse-Lautrec(トゥールーズ-ロートレック賛)」で、この曲はドビュッシーをちょっと分かりやすくしたような和音がたくさん出てくる気の利いた佳曲。例えば、テーマの1小節目は合計8回繰り返される。別の主題が提示された後にこの音形が展開されるので、普通これは出てくるたびに同じ音のはずなんだけど、楽譜上は都合3通りある。
「A」は第1小節、「B」は第3小節、「C」は中間部が終わって戻ってきた時の第3小節目。残りは「B」パターンなので「B」が正解なんだろうけど、曲の第1小節目から間違うなよ。
この曲には他にもトリビアルな間違いがたくさんあって、例えば次の音形。
これも第2主題の後半になっていて、この「B」は「A」の14小節後。明らかにナチュラル記号を忘れてる。他にも
この通り弾けるもんなら弾いてみろよ! この第2八分音符は、開放弦の記号がついているので、eではなくてgなんだろう。こんなのちゃんとチェックしろよ。
こういう音符の間違いが1ページに最低1箇所は必ずある。ほとんどはトリビアルなものなので修正できるけど、間違いなのかそれともエドゥアルドの意思なのか判断できない音符も何箇所かある。それにこんなに間違いが多いと他の音符も信用できなくなってくる。
音符の間違いだけではない。例えば「evocacion criolla」という曲の先頭
運指ではhの音に3弦を使うように書いてあるけど、fisとdを4弦と3弦で弾いてあとは全部開放弦にすると、隣り合った弦を上がり下がりするだけのアルペジオになる。和音が変化する3小節目4小節目も全く同じ弾き方でよく、これは明らかにエドゥアルドの意図としては開放弦を使うのが正しいと思われる。この曲にはこういう作曲者の意図を無視した理不尽とも言える運指がいっぱい出てくる。頭がどうかしてるとしか思えない。
印刷はちゃんとしてるので、それなりに手数はかかってるはずなんだけど、日本でこんな楽譜を出版したら非難轟々ぼこぼこにされることは間違いない。スペイン人は鷹揚なのか。ピースとして買い直すのは癪なので、誰かが弾いてるのを聞いて確認しようと思うけど、エドゥアルドの曲はあんまりメジャーじゃないのかYouTubeなんかでも決まった曲しかあがっていない。ううむ....
でもデラマーサ(エドゥアルドの方)は自身がギタリストでもあったので、ギターで効果の上がる音を選ぶことができた。ちなみにお兄さんのレヒーノもギタリスト兼作曲家だった。ロドリゴの協奏曲を初演したのはお兄さんのほう(レヒーノが監修しなかったら、かの名曲「アランフェス」もこれほどの名声は得られなかったかもしれない。それほどテクニックが音楽と馴染んでいる)。エドゥアルドはお兄さんと違ってドビュッシーに似た印象派風の音色も好きらしく、それが曲の彩りになっている。
ちまちまピースを買ってると高くついて仕方がないので、曲集を買った。それがひどかった....
ロンドンにある輸入代行業者から買って、時間はかかったけどちゃんと届いた。こんなの。
UNION MUSICAL EDICIONESというスペインはマドリドにあるらしい会社の楽譜。18曲70ページで、ページ単価が極端に安かったのでちょっと不安だったんだけど、中身を見たらその不安は的中してた。トリビアルな間違いだらけの酷い楽譜だった。
一番間違いの多いのが「Homenaje a Toulouse-Lautrec(トゥールーズ-ロートレック賛)」で、この曲はドビュッシーをちょっと分かりやすくしたような和音がたくさん出てくる気の利いた佳曲。例えば、テーマの1小節目は合計8回繰り返される。別の主題が提示された後にこの音形が展開されるので、普通これは出てくるたびに同じ音のはずなんだけど、楽譜上は都合3通りある。
「A」は第1小節、「B」は第3小節、「C」は中間部が終わって戻ってきた時の第3小節目。残りは「B」パターンなので「B」が正解なんだろうけど、曲の第1小節目から間違うなよ。
この曲には他にもトリビアルな間違いがたくさんあって、例えば次の音形。
これも第2主題の後半になっていて、この「B」は「A」の14小節後。明らかにナチュラル記号を忘れてる。他にも
この通り弾けるもんなら弾いてみろよ! この第2八分音符は、開放弦の記号がついているので、eではなくてgなんだろう。こんなのちゃんとチェックしろよ。
こういう音符の間違いが1ページに最低1箇所は必ずある。ほとんどはトリビアルなものなので修正できるけど、間違いなのかそれともエドゥアルドの意思なのか判断できない音符も何箇所かある。それにこんなに間違いが多いと他の音符も信用できなくなってくる。
音符の間違いだけではない。例えば「evocacion criolla」という曲の先頭
運指ではhの音に3弦を使うように書いてあるけど、fisとdを4弦と3弦で弾いてあとは全部開放弦にすると、隣り合った弦を上がり下がりするだけのアルペジオになる。和音が変化する3小節目4小節目も全く同じ弾き方でよく、これは明らかにエドゥアルドの意図としては開放弦を使うのが正しいと思われる。この曲にはこういう作曲者の意図を無視した理不尽とも言える運指がいっぱい出てくる。頭がどうかしてるとしか思えない。
印刷はちゃんとしてるので、それなりに手数はかかってるはずなんだけど、日本でこんな楽譜を出版したら非難轟々ぼこぼこにされることは間違いない。スペイン人は鷹揚なのか。ピースとして買い直すのは癪なので、誰かが弾いてるのを聞いて確認しようと思うけど、エドゥアルドの曲はあんまりメジャーじゃないのかYouTubeなんかでも決まった曲しかあがっていない。ううむ....
2015-07-04 21:12
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