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NHK「中古品市場」 [日常のあれやこれや]

今週はじめからまた工場に来ていて、今夜ホテルに帰って来てニュースをぼーっと見てた。「メルカリ」みたいなユーザ同士で売り買いする中古品市場が成長しているという。僕自身は使ったことはないけど、飽きたら捨てるというバブル時代の感覚は僕にも馴染めなくて、そういうのはいいことだと思っていた。

例えば、ネットが普及する前、僕らの子供達が小さかったころ、幼児のための服や用品なんかを、女房が知り合いの範囲で使い回すということがあった。子供服なんかはすぐ小さくなってしまうので合理的だと思った。僕が子供の時代は父親や祖父が使っていたおくるみに僕自身が収まっている写真が残ってたりした。製品寿命の方が使用可能期間よりずっと長い、ということはよくあって、それは「ビンボくさい」とかではなくて長い人生の中での最適化と考えることができると思っていた。

そういうのとは全然違う使い方として、番組の中で「Facebookにあげた写真にいつも同じ服を着ていると思われるのがイヤ」なのでメルカリで安い中古品を買う、という話があった。

インスタグラムに上げるために必要以上に盛るなんていうことが普通らしいので、そういうのもあるんだろう。僕は別にそれぞれ好きにすればいい、と思うのでとやかくは言わないけど(もちろん僕自身はそんなのバカみたいと思うんだけど)、その話を聞いて昔の映画のあるシーンを思い出した。

それが何の映画だったかは思い出せない。たぶん小学生のころお袋に連れられて近所の三番館で見たハリウッド映画だったと思う。有閑マダム風の副主人公級登場人物が、パーティに着て行く服を悩んでいる。これは誰それの何々のときに着たし、これはあれで、これはそれで、とワードーローブにずらっと並んだドレスにダメ出しをする。

子供の僕は、大人の女は一度着た服は着ないのか、でもそれなら取っておく必要もないだろうに、となんとなくぼんやりと不思議に思った。

NHKのニュースを見て50年間完全に忘れていた記憶が蘇った。なにがびっくりしたと言って、僕の頭の中のいったいどういうところにそんなものが残っていたのか。最近数ヶ月から数年レベルの記憶がすっぱりと抜け落ちて他人から「あの時お前はこう言った」「こんなことをした」と言われて反論どころかウロがきて何の反応もできないということがよくある。

できることならそんな大昔のどうでもいい記憶領域を中期記憶のために使い回せないか、と切実に思ってしまう。

「メルカリ」に「余った記憶領域売ります」とかいうのはないだろうか。
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