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久しぶりに変な夢を見た [分類してもしょうがないもの]

最近は歳のせいか夜中に起きることが多くて、その時見ていた夢をぼんやり反芻しながら用を足したりしてる。普段は何か生理的欲求(暑い寒い痛い痒い、おしっこしたい、など)があってその夢を見ながら目を覚ます、ということばかりだった。その時の夢は必ずその時点での生理的な感覚を反映している。でも、昨夜は夢の中でちょっとした怒りを感じる場面があって、そのせいで目が覚めてしまったように感じた。つまり目を覚ます原因が夢の中にしかなかった。目を覚ましてからただぼーっと布団の中で夢を反芻していた。ちょっと変な感じ...

会社の同僚らしい人達とよその会社に技術的な打ち合わせで来ている。会議室に通されて、会議テーブルを挟んで4人対4人で向き合った。僕は一番左の末席にいる。

大きく黒っぽい会議テーブルがあるので会議室だと思えるけど、入り口のドアは木製で、壁もぐるっと同じ濃いレンガ色の羽目板になっていて、僕の側の奥は天井から床まである重そうなカーテンが吊るされて、部屋の隅には壺やらよくわからない置物なんかがある。いかにも応接室を会議室に転用したという感じである。

先方の技術屋さん達は4人とも同じパステルな青緑色をした作業服(胸のところに斜めに青い直角三角形があってそれは非対称な襟というオシャレなデザインらしい)のようなものを着ていて、それがどうやらこの会社の制服のようだった。4人ともそれぞれ違う体型なのに同じ格好をして、暗い色調の部屋とはなんとなく不釣り合いでちょっと滑稽に見える。そのうち議論が始まったが話の内容はどうやら僕の出番ではなく、端っこでおとなしくしていた。

しばらくすると木製のドアが開いて背が低く手足が短く腹を丸く突き出させた六十前後のスーツ姿の男が軽く跳ねるような歩き方で部屋に入ってきた。どことなく指揮者の広上淳一を思わせる風貌で、髪の毛はかなり後退して頭頂部も頬と同じピンク色をしていた。

その後からやはりスーツ姿のストレートの重たそうな髪をした女が薄い鞄のようなものをわきに抱えて入ってきた。男は先方の4人の後ろを歩いて部屋を半周して、僕と隣り合う机の辺に置いてある椅子に座った。僕からは男の顔の右側が見えていて、スーツの艶のある生地がいかにも高級そうに見えた。一緒に入ってきた女のほうは男よりもかなり背が高いせいなのかずっと俯き加減で顔はよくわからなかった。そして男の隣の椅子を後ろに引いてすぐ後ろで男の椅子に膝をくっつけるように座った。

右側に座った僕の同僚らしい人物が
「〇〇株式会社の社長さんだ」
と僕に耳打ちした。会社の名前は聞き取れなかったけど、今打ち合わせている会社ではない、ということはわかった。僕以外の7人はその社長さんを紹介するわけでもなく、あるいは打ち合わせの内容をその社長さんに説明するなどということもなく、ただなんとなく無視したまま、議論を続けていた。

その社長は鼻歌でも歌うようにして辺りを見回していた。しばらくすると内ポケットからタバコを取り出して咥えた。後ろにいた女が男の肩越しにライターでタバコに火をつけ、どこからか灰皿を取り出してテーブルの上に置いた。

こっちは会議してるのに、と思いながら
「タバコやめてもらえませんか。私はアレルギーを持っていてタバコの煙を吸うとくしゃみが止まらなくなりますので」

と僕は言った。これは現実世界でも事実で、さすがに最近は減ったが、昔はよく隣でタバコを吸おうとするやつに必ずそうやって文句を言った。そうすると10人に8、9人まではすなおにタバコをやめてくれた。

するとその社長は
「あっ、そうなんだ、へえぇぇ」
となんだか馬鹿にしたような口調で答えて、そのあとタバコを灰皿で消したが、いかにも手持ち無沙汰な様子で椅子を軋ませて立とうとして、またそのまま座り込む、ということをしていた。男は僕の視野の隅っこでいつまでも落ち着かなくゴソゴソしていて、僕も打ち合わせに集中できずにいた。

そのうち男は僕の後ろを指さして後ろの女に
「ほら、あれ、モジリアニじゃね?」
と小声で話しかけると、その女は答えて
「ええ、そのようですね」
なんて言っている。

僕が首を回して後ろを見ると、3、4歩ほど離れた壁に扉のついた全体がガラス製の戸棚のようなものがあって、その中にせいぜい7、8センチ角ぐらいのミニチュアの油絵のようなものがいくつも並んでいる。絵ならもっと大きく描けばいいのに、変な趣味だな、と思いながら見ると、額はごちゃごちゃと細工物のように見えるんだけどその中身は何が描いてあるのかよくわからない、もやもやとした物ばかりで、モディリアニ風と思えるものはなかった。

どれがモディリアニなんだ、と思いながら男の方を振り返ると
「ハハハ、モジリアニもわからないんでやんの」
と僕を小馬鹿にしたように笑いながら、また内ポケットからタバコを取り出した。今度のタバコは爪楊枝のように細くて、また後ろの女がすぐそれに火をつけた。ちょっと不愉快になって
「さっき言ったように、僕は...」
と言い出したところへ男がタバコの煙を吹きかける仕草をした。僕は喋るのをやめてタバコを掴もうと手を伸ばすと男は目を僕に向けたまま姿勢を変えずに指だけをスナップするようにひょい、とタバコの向きを変えて
「ハハハ、取れなかったねぇ」
とまた小馬鹿にしたように小声で笑った。いかにも退屈しのぎに蔑んでいるような男の態度に僕はカッとなってしまって、僕の方がずっと背が高くてリーチも長くて僕は左利き、と頭の中でぐるぐと考えながら僕は椅子から立ち上がって、男のタバコをつまんだ右手首を左手で掴もうとしたところで目が覚めた。

なんだかアドレナリンが放出された軽い興奮状態で布団の中でしばらくじっとしていた。夢の内容のせいで目を覚ます、なんていうことはあるんだろうか、あるいはREM睡眠の間に体が興奮状態になったりするんだろうか、一体どっちなんだ、と思いながらしばらく起きていた。夢の内容を何度も反芻したせいで朝になってもよく覚えていた。

どうにもムカつくハゲオヤジだった。いやそれよりほんとうにどっちだったんだろう....
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