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ショスタコーヴィチ交響曲第15番の調性/無調の話 - その3 [音楽について]

ショスタコーヴィチの交響曲第15番の話の続き。前々回前回で第1楽章を一通り聴いた。演奏時間で7、8分のそれほど長くない楽章だけど、結構複雑な構造をしていることがわかる。

今日は第2楽章。第1楽章の第2主題で使われた12音的なフレーズがいっぱい出てくる....

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ショスタコーヴィチ交響曲第15番の調性/無調の話 [音楽について]

MacPorts版64ビットコマンドラインLilyPondを導入して快適だったので、それを使ってひとつのネタを披露する。楽譜をいっぱい書く...

1  ショスタコーヴィチの交響曲第15番

ショスタコーヴィチの交響曲15番はショスタコーヴィチの最後の交響曲で、また「交響曲」というジャンルのほとんど最後になる曲である。15曲ある交響曲の中では僕の一番好きな曲で、そして彼の交響曲の中でいちばんの傑作で、古今東西の交響曲のなかでも上位に数えられる名曲だと僕は思っている。

この曲は、見かけ上は引用/パロディが満載で、また特に第1楽章は新しいメロディというかフレーズが次々に現れては通り過ぎていくように聴こえることもあったり、一方で重苦しく暗い調子で沈みまくるところもあったりして、掴みどころのない曲のように言われることがある。一般的には、自他の作品からの引用はショスタコーヴィチによる「しかけ」「からくり」と考えられることが多い。

僕にはこの曲が、非常に知性的かつ冷静で、しかも一音一音がすべて自然体でありながら決然としていて、ブレがないと聴こえる。それはショスタコーヴィチの生前の言動とは真逆で、迷いがない、と言っていい。

僕がこの曲をどう聴いたか、というのは前に書いたことがある。また、ここで何度か書いたように僕はショスタコーヴィチの引用を云々しても仕方がない、と思っているので、引用、パロディの話は無視して(最後に彼の引用に関して僕の思うところを書くつもり)、今回はもうすこし曲の構造についてまとめてみたい。特にショスターコヴィチの「調性感」について。

今回は最初に書いたように64bit版LilyPondで音符を描くのが快適だったので譜例をいっぱい描いて、僕が考えるショスタコーヴィチの「調性」に関する面白いところを「とことん」書きたいと思う。一般に言われていることや偉い人が言ったことと違うところがたくさんある。僕は音楽学者ではないので、客観性よりも自分の耳で聴いて感じたことを優先した結果である。

「それは違うだろ」と思った人はぜひコメントください。

トッコトン。

こう書くとちょっとかわいいかな。

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ベテルギウス復活 [日常のあれやこれや]

暗くなってたベテルギウスが戻しそうな気配。
betelgeuse.png
AAVSOの最新の集計データを見ると底を打ったかなあ、という感じ。なだらか(高調波成分が少ない)になってるので、何か突発的な事象ではなくて、やっぱり変光の周期が被ったとか、大きなガスが前を横切ったとかなんかだということなのかな。

ガイナンさん、すげえ、予測がどんぴしゃじゃん。さすがエンタープライズ号に乗ってるだけの事はある。

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Spinnaker macOS版のサンプルコード [日常のあれやこれや]

先日FLIR社のGEN<i>CAMカメラ用ドライバSpinnakerのmacOS版をインストールした。基本的な機能をひとつずつ確認できる簡単なサンプルコードが50本ほども付いていて、どれもMakefileのパス設定をちょっと書き換えれば(ソースファイルが/Application/Spinnaker/src/前提で書かれていて../binにインストールされるようになっている。これだとパーミッションが面倒)コンパイルできて(もちろんgccでもclangでも)、コマンドラインとして動作することを確認した。

これをXcodeからビルドしてみた。もちろんsearch pathの設定と、実行時に必要なライブラリがリンクできるようにrpathの指定をしないといけないけど、それをしてやる(Spinnaker.dylibがlibompやlibusbや、さらに../../libにあるライブラリを呼んでいる。ディレクトリ構造決め打ち)と、ちゃんとビルドできた。

ところが、実行するとライブラリがロードできない、と言ってクラッシュする。よく見ると呼んでいるライブラリにコード署名がない、ということらしい。
$ codesign -dvvv *.dylib
などとしてやると、署名があるかどうかわかるらしいので、やってみるとたしかにSpinnaker.dylib含めて全部なかった。macOSはいつの間にかじわじわと署名にうるさくなって行っている。「いつの間にか」って、知ってる人は知ってるんだろうけど。

例えば、XcodeのBuild Phaseで、入れ子のライブラリ含めて全部Embed & Signに指定してビルドすると、全部のライブラリが僕のdeveloper IDで署名された上でコピーされる。でも、これを署名なしのと置き換えるのは変だよな。Bundle形式のアプリならこれでいいんだろうか。それだとまたrpathの書き換えやotool、install_name_toolを呼ぶスクリプトのぐちゃぐちゃ地獄になるな。でも独立したアプリだとそうするしかないのか。

そもそもBundle構造を持たない単一バイナリのライブラリの署名ってどこについてるんだ? dylibってリソースフォークみたいな構造があるの?よく知らない。

Xcodeでビルドした実行形式のファイルはこのように動かないのに、手動でmakeした実行形式のファイルは同じライブラリを参照しているのに動いてしまう。どうなってるんだろう。実行形式本体に署名がないと無視されるんだろうか。昔ながらのunixの作法を妨げることはしないけど、結果は自己責任で、ということなんだろうか。

いずれは設備のホストで動くようにしたいんだけど、そこで署名なんかでトラブるのはイヤなので、やっぱり最終的にはXcodeでビルドできるようにしたい。どうするのがいいんだろうか。

クラッシュするときのエラーメッセージに「少なくともad-hoc署名しろ」とあるので、とりあえずそうすべきなんだろうか。でもad-hoc署名って実行できるデバイスが限られたりするようで、あとあと面倒が起きないようにするためには結局どうするのが一番良いんだろうか。署名ってどうも複雑でいまいちよくわかっていない。どうも知らないことだらけで、困ってしまう。

みんなはどうしてるんだろ。


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Spinnaker macOS版 [日常のあれやこれや]

夜中に何度も目が覚める、なんてことがまだ続いていて、海外出張の尾を引いている。疲れがとれない。

マシンビジョン用カメラメーカの旧PointGrey社、現FLIR社のGEN<i>CAMカメラ用ドライバであるSpinnakerがmacOSに対応してた。Application noteは去年の10月のタイムスタンプで、もう何年も前からmacOSに対応するよするよ、といいながらのびのびになっていたもので、できたら教えてね、と言ってあった。なんの連絡もくれなかったので、スルーされてたようである。まったくもう...

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Photonics West 2020 最終日 [日常のあれやこれや]

ああ、やっと終わったぁ。デモ装置を日本から荷物を出すときは壊れないように細かく分解してそーっと梱包したんだけど、帰りはもう壊れてもいいや、で段ボールにぼんぼん詰め込んだ。みんなが一斉に撤収を始めるので、会場の前はめちゃ混み。
IMG_3590s.jpg
この写真ではぜんぜんわからなんな。

ああ、疲れたあ。明日帰るんだけど、また苦行の飛行機に乗らないといけない。歳のせいか知らない土地でのストレスより飛行機の方がずっと辛い....
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Photonics West2020なかび4日目 [日常のあれやこれや]

Photonics West2020でデモ展示するために、2年ぶりにサンフランシスコに来ている。今回は僕の新しいアイデアのデモが実質的に目玉になっているので忙しい。

去年の横浜OPIEでのデモよりはブラッシュアップしたけど、しょせん半導体レーザドライバはRaspberry Pi制御だし、無圧縮カメラからのデータ処理は僕が昔書いたmacOS上のOpjective-Cのドライバを使ってるので、信頼性は低い。すぐ「おい、レーザが死んでるぞ」とか「表示がおかしいんだけど」とか言われて現場的な対処をする羽目になっている。

OPIEのときでもそうだったけど、同業者と思われる人から訊かれて突っ込んだ説明をすると「面白い」と言ってもらえることが日に何度かあって、そういうときはこの歳になっても嬉しくなってしまう(日本よりも反応は大袈裟で、心にもなくても「It's amazing!」とか「very interesting」とか言ってくれるのでよけいにかも)。USとヨーロッパ(ドイツ)の現地人営業担当がそれぞれ一人ずつサポートに来ていて、彼らが「仲良し技術屋のお楽しみ会じゃないのに」とかいつもの調子で皮肉を(英語で)言うかと思っていたら、何もないよりかはいい、とあんがい好意的だったので、ちょっと彼らを見直した。

サンフランシスコに着いてから毎晩USのお客さんとの会食に付き合わされて、ヘビーな食事と全然理解できない英語の日常会話のせいで胃が重くなっていた。今夜は僕とは関係ない日本メーカのUS代理店機能としての接待だったので「お前はドロップアウトしていい」と言われた。

そこで、教えてもらったホテル近所のショッピングモール地下のフードコートで(システムがわからずにまごまごして後ろに並んだ客から怒られながら)蒸した餅米のご飯と辛く味付けしたスライス牛肉のセットをテイクアウトして、また近所のスーパーで買ったIPA(イソプロピルアルコールが入ってるのかと思った)と書かれた缶ビール(またこれも「アルコール飲料はセルフレジを通れない」と書いてあるだろ、と怒られて有人レジに並び直して)を飲みながら一人ホテルの部屋で食べた。とはいえ、知らない土地でも一人の方がやっぱり気楽でほっとする。

歳のせいか、昔より時差ボケの順応に日にちがかかって、まだ昼間眠く夜中寝られないというのが続いている。展示会はまだ二日残っている。しょうがないのでがんばろう。


なんて考えながら寝る準備をしてたら、夜中にドアをノックする音がして、一緒に来てる社長が現れた。彼は今日、別のお客さんのところに行って国内便で帰ってきたその足で僕の部屋に来て、そのお客さんと将来の技術的な方向性のディスカッションになった、こんなことはできるのか、あんなことは、とまくしたてた。

まあ、明日にしましょ、とさっき穏やかに別れた。もう、しょうがないなあ。
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