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Eduardo Sainz De La Mazaの楽譜を買った [ギター]

Eduardo Sainz De La Mazaのギター曲が最近のマイブームになってる。趣があって、でも指の運動学的に無理がなくてそれほど難しくない。最初「プラテロと私」という組曲が気に入って楽譜を探していた。ちなみに「プラテロと私」を題材にしたギター曲はカステルウオヴォ=テデスコのが有名だけど、そっちはすごく弾くのが難しい。テデスコはたくさんギター曲を書いたけど自身はギターが弾けず、監修にあたったギタリストによって難易度が極端に違う。その点はロドリゴと似ている。ふたりともギター曲としては超名曲が多いので残念ではある。

でもデラマーサ(エドゥアルドの方)は自身がギタリストでもあったので、ギターで効果の上がる音を選ぶことができた。ちなみにお兄さんのレヒーノもギタリスト兼作曲家だった。ロドリゴの協奏曲を初演したのはお兄さんのほう(レヒーノが監修しなかったら、かの名曲「アランフェス」もこれほどの名声は得られなかったかもしれない。それほどテクニックが音楽と馴染んでいる)。エドゥアルドはお兄さんと違ってドビュッシーに似た印象派風の音色も好きらしく、それが曲の彩りになっている。

ちまちまピースを買ってると高くついて仕方がないので、曲集を買った。それがひどかった....

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BWV998を弾く [ギター]

以前、BWV998を変調弦ギター用に編曲した。この曲を僕は大好きなんだけど、ギター、あるいはリュートに関心のある人にしかほとんど知られていない。このプレリュードは全部で48小節しかない短いものだけど、非常にバッハらしい特徴的な構造を持った美しい名曲である。

ところで、僕以外のギタリストたちもやはりこの曲が好きと見えて、YouTubeにはたくさん演奏が上がっている。でも、アゴーギクどころか、均一なアーティキュレーションで明瞭なフレージングを避けた、どっちかというとのっぺりとした弾き方をする人が多いような気がする。

確かに隈取りのようにはっきりとしたフレージングは説明的になりすぎて古くさいし、大きなアゴーギクは曲が重くなってバッハにふさわしくない。また、新古典主義なスタイルが全盛の時代には、均一で一見平板な演奏の中に、曲の持つ刹那的ではない面を引き出そうとする演奏が流行したこともあった。

でも少なくともこの曲に関しては、構造をはっきりと提示することで、バッハが盛り込んだ控えめだけど奥深いドラマがわかりやすくなるという気がする。

ここではこの曲がどんな構造を持っているかを、僕の思い込みも含めてまとめて、実際にその通り弾いてみることにする....

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サティのピアノ曲のギター編曲 - 2曲目 [ギター]

こないだ、サティのピアノ曲、ノクターンの第3曲をギターソロとギター2重奏に編曲してみた。こんどはノクターンの第2曲のギター2重奏への編曲。

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サティのピアノ曲のギター編曲 - 2台のギター用 [ギター]

先日書いたサティのノクターンの第3曲を2台のギター用に編曲し直した。こっちの方が原曲のピアノのニュアンスに近くなった。弾きやすいし、メロディと伴奏のラインも区別しやすい(当たり前か)。

ちなみに、ソロもデュオも調性は原曲のまま。たまたまギターにふさわしい調性だったのと、音域も広すぎないのがよかった。

こんどはノクターンの第2曲をやってみよう。

ところで、Lilypondで2段譜の間隔をあけるのってどうすればいいの?やり方がわからなくてデフォルトままでやったら運指の記号が狭苦しくなった。誰か教えて。

楽譜のpdfファイル


サティのピアノ曲のギター編曲 - できました [ギター]

こないだ話だけで終わったサティのピアノ曲のギターへの編曲、できました。せっかくnice!をもらったのに、仕事が忙しくてそのままになっていたので心苦しかった。見てくださいね。

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ソルの「魔笛の主題による変奏曲」とモーツァルトの「魔笛」 [ギター]

ベートーヴェンと大体同じ時代のスペインで生まれてフランスに亡命したフェルナンド・ソルという作曲家兼ギタリストがいた。彼の一番有名なギター曲に「魔笛の主題による変奏曲」というのがある。言わずと知れたモーツァルトの最後の歌劇「魔笛」に出てくるメロディを主題にした変奏曲である、となっている。

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バグ発見 - LilyPondのMIDI出力のおかげ [ギター]

先日作ったBWV998 Preludeにバグを見つけた。

どうやって見つけたかと言うと、LilyPondのMIDI出力。

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ゆ、許せんっ! [ギター]

この記事を書くために合計7時間を費やした。子供たちよ、心して読むように。

昨日ブルーガー版の楽譜を見ていたら中に挟まって古い雑誌の切り抜きが出てきた。その内容があまりにひどいので、ここにメモリする。

誌名や出版年は不明だが、おそらく20年以上前だと思われる。「楽典考」という連載の第8回のようだが、ここでバッハのBWV996(ホ短調の組曲)のプレリュードのPrestoの部分が取り上げられている。

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ギターによるバッハ [ギター]

こないだから気にしているLilypondでなにをやりたいか、というとバッハのリュート曲のギター用の自分の編曲を作りたいから。
バッハのリュート曲の楽譜は古典中の古典ブルーガー版にとどめをさす。

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7弦ギターが欲しいぞお! [ギター]

学生の頃、それこそ清水の舞台から飛び降りるつもりで、ダイアナポールトンのダウランドのリュート曲全集を買った。


4,000円は当時の学生なら一週間暮らせる金額だったが、えい、っと買ってしまった。30年近く前だが、買ってよかった。今では宝物。

これをどうしてるかと言うと、もちろんリュートを持っている訳ではなく、またリュートがあったとしてもギターから転向するつもりもなく、なんとかギターで弾こうとしてきた。たま〜に6弦でで弾ける曲(例えば8.Piper's Pavan、10.Solus Cum Solaとか)もあることはあるが、ほとんどは7弦目Dが必要な曲が圧倒的に多い。ルネサンスリュートには7コース13弦を超える楽器もあったはずだがダウランドはほとんど使わなかったようだ。要するにダウランドのリュート独奏曲は7コースあれば演奏できる。

折衷的ではあるが、そのために7弦ギターが欲しい。上からg'd'afcGD。これがあればポールトン編はまず全部演奏可能になる。特に美しい2.Forlorn Hope Fancyや4.Farewell、5.A Fancy、7.A Fancyなんかの、ここはというところでオクターブあげなきゃならなくなるということが無くなるのは有意義じゃないかい。

実はこのギターでバッハのBWV997組曲に必要な低音が充実する。この曲はバッハらしい内容の深いすばらしい曲なのに他の例えばクラビア曲なんかに比べて全然知られていない。ギターでたまに耳にするがまるでパロディのような意味不明の表現ばかりが連続する、あさっての方を向いたおかしな演奏ばかりでまともなものが少ない。これはひとつには実質的に6弦のギターでは演奏不能である、という面もある。もともとバロックリュート用で13コース24弦なんていう弦の数は多いし、弦間音程が最小短三度という左手には負担の少ない楽器のために書かれた曲なのでギターでやるには限界がある。でもバロックリュートでもこの曲は簡単に弾ける訳ではない。
ボーリンの11弦ギターでも音程はカバーできるが、ひとつの弦で二つ音を鳴らさなければいけないところがある。こればかりはどうしようもない。

どうせ難しいならあきらめて、せめて物理的に再現可能な楽器から始めてみたい、と思ってあともう一弦増やすことを考えた。

欲しいなあ、要するにルネサンスリュート調弦のギターだよな。誰も作ってないみたいなので特注かなあ。それだと一声50万円から、とか言う話だろうなあ。


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