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Lilypond on Leopardその2 [音楽の周辺]

LilypondがまだLeopardで動かない。
みんな結構苦労しているみたい。

どのみちMacOSXのlilypondはエディタも最小限のものやし、pdfは外で開く(たとえばAdobe Reader)のでいちいち閉じてやらないとpdfファイルがビジーで書けない、と言ってくるし使い勝手は悪い。

しかしFinkで落としたコマンドライン版も動かないらしい。それって、なんで?LilypondがLoepardのどちらかが、標準的なunixと互換性がない、ということやな。

TeXShopがLilypondをサポートしたらしいのでそっちを使おうと思っていた。たぶん「パーソナルスクリプト」にLilypondを設定してタイプセットするんだろうと思うけど、まだやってなかった。

さっき、これまで記事の左上に表示されるプロフィールに表示される画像の五線譜をFinaleで作ったやつからLilypondの出力に変えた。レイアウトの違いはあるが、ほとんど差はない。

しかし、もう少し大きめの楽譜にするとちょっと違いが出てくる。たとえばバッハのリュート曲BWV998のプレリュードをギター用に編曲したものの頭。

こっちがFinale98(かなり古いけど)

で、これがLilypond

どっちもほとんどデフォルトの設定のままレイアウトしている。

幅が違うのはちょっとした設定(インデントの違い)のせいでこれは無視するとして、微妙な違いだがFinaleのほうが連桁の高さが高いのと、音符が跳躍しても連桁があまり傾いていない(例えば1小節目の4拍目)というのがわかる。

僕の知っているソフトの中でFinaleとLilypondは出力の品質は非常に高く、僕が最も重視する見やすさという面では双璧。出力はPostScriptやpdfになるのでIllustratorで最後の鼻薬的編集ができる(どうしても気に入らないところがあってパラメータ調整が大変と言う場合、威力を発揮する)。しかし、ぱっと見の全体的なバランスの印象はFinaleの方が一枚上。これはなんと言っても歴史の違いでしょう。

僕はきれいな楽譜を作りたい訳ではなく、手書きでもいいのだが、やっぱり読みやすい楽譜が欲しくて、ソフトを使うようになった。例えばバッハのリュート曲の中に自分の運指を書き足したいとき、昔は出版された楽譜をコピーしたり手で全部引き写したりしていた。

楽譜は当然楽器を持った状態で音を鳴らしながら見るので、例えばひとつの音符の占める横方向の長さが音価の長さと一致していなかったり連桁の繋がり具合がフレージングと一致していなかったり声部の書き分けが適当だったり(あるんだよな、売り物の楽譜でも)すると一気に読みづらくなる。

手書きでもそういうところを注意しながら書けばいいのだが素人にはなかなかこれが難しい。ちなみに手書きでもバッハの筆記譜はすばらしく美しい。音符が流れるように書かれ、どの音符がポイントで何がそうでないかが一目で分かるし、しかも案外コンパクトに書かれているので非常に見通しが良い。無伴奏ヴァイオリンの自筆譜はまるでクレーが絵として書いたのではないか、と思えるほど美しいし、マタイはイエスのレシタティーヴォが赤ペンで書かれたりしていて見て楽しい楽譜(楽しい、というのは内容にそぐわんか)だったりもする。ベートーヴェンやモーツァルト(映画ではサリエリが見て涙を流すが)や、ずっと行ってマーラーなどの巨匠と言われる他の作曲家の自筆譜はとても読めたものではないのが普通。

もちろんバッハの自筆譜の現物を見た訳ではない。書かれてから300年にもなるので痛みがひどく、ちゃんとアーカイブして保存しようと言う動きがある(サイトのアドレス失念)が、費用が出なくて苦しんでいるという。僕が見たのもそのドネーションを募るサイトだった。ドネートしなかったのは気が引けるが。

話が逸れたが、手書きでもバッハの自筆譜のように書けるなら十分だがなかなかそうはいかない。そこで楽譜浄書ソフトの登場。Finaleは10年前からあるので積み重ねがあって読みやすい楽譜ができるが、なんと言っても今買うと5万円以上するその値段の高さ。Finale2000あたりまではダウンロードできるデモ版で実は全ページ出力ができる裏技(ファイルの保存はできないのでつらいけど)があったが、それ以降は使えなく(少なくともMac版は)なってしまった。上の楽譜もその裏技で出力したもの。デモ版のライセンスをちゃんと読むとそういうことはやっちゃいけないよ、と書いてある。

一方のLilypondはGNUのプロジェクトでしかもTeXをベースにした「抽象化はとことんテッテー的にやろう」と言う思想が貫かれたすばらしいソフトで、20年来のTeXユーザでGNUシンパの私としてはこれを袖にするとバチが当たる、と言える。

取っ付きは非常に悪いけれども、FinaleのようなWYSIWYGよりも慣れるとかえって入力ははやいし(FinaleはMIDIを読み込ませるのが手っ取り早い入力だが特に音符の長さのクォンタイズをちゃんとやっておかないとあとで苦労する)、全体にわたる微調整(全部の旗の長さをちょっと長くしたい、だとか)が簡単にできる。このへんはTeXを見本にしたメリット全開。

これまで書き溜めたバッハのリュート曲のギター編曲をFinaleからLilypondに書き換えようと思った矢先のこのLeopard互換問題。だれか偉い人がLeopardの上でTeXShopでLilypondソースがコンパイルできるようなパッケージを作ってくれるとありがたいんだけど。


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