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変調弦その12「BWV999プレリュード」 [ギター - 変調弦によるバッハ編曲]

変調弦ギターによるバッハの続き。
去年からBWV1006aのプレリュードをやってるけどこれは大曲でなかなか終わらない。

そのまえにちょっと箸休め。BWV999のプレリュード。

これは変調弦を使っていない。看板に偽りありやね。
何が違うかと言うと上声分散和音の3音をすべて異なる弦で鳴らすような運指(1小節だけ2和音のある(sus4→major)小節を例外として)に徹底した。これで音が途切れない。ただし解放弦が混じるので音色には気をつけなければならない。こういうのどうでしょ?

一カ所、23小節目、新バッハ全集の音とちがう音符がある(低音E、全集ではF、原調でEs)。旧バッハ全集でもこうだったらしく原典のJohan Peter Kellnerという人の写本がこうなっているらしい。バッハの自筆譜は残っていない。この前後の上声分散和音が低音E(原調D)を含む和音かあるいは近隣和音になっているのにこの小節だけE音が構成音でない(上声分散和音はヘ属7和音、F7でEは非常に遠い)ため適合させたと考えられる。しかしこの音はその前後の保続音(Orgel Punkt)を意味なく中断してしまう。新バッハ全集の立場としては原典がこれしかないので積極的な修正は避けたのであろうが、本来のバッハの意図に反するように思われる。ブルーガー版もここには注釈があってOrgel Punktを継続するような音が選ばれている。

ここではブルーガー版に従った。それにだいたいここだけFにしたくても弾けないし。

どうしても新バッハ全集に準拠したいという人には、技術的な解決策として6弦の1フレットを歯で銜えて鳴らすという方法があり得る。6弦1フレットは口から思ったよりもそれほど遠くなく、しかもバッハ演奏の場合同時に歌ったりブルースハープを銜えたりということはまずあり得ないので演奏中歯は全部遊んでいることが多い。やってみれば確かに不可能ではないことがわかる。この場合運指記号を新しく考案する(Toothの「t」などが適当と考えられる)必要はあるが、ライブでやればステージ映えするかもしれない。ただし唾で6弦だけ早く錆びると思われる。

全曲の[pdfファイル]を置いておく。


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