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山下洋輔トリオ「キアズマ」 [ジャズ]

久しぶりに買ったジャズCD。76年に出たレコードのCD化。

75年のドイツでのライブとのこと。
あのすばらしい「ミナのセカンドテーマ」のライブが入ったアルバム「クレイ」の次の年だからトリオのヨーロッパツアーの2回目か。

なんともいえずあのころの山下トリオの熱さが伝わってくるすばらしい内容。全部で40分近くあるのにあっという間に終わってしまうように感じる。

「クレイ」に入っている「ミナのセカンドテーマ」の緊張感と、このあとドラムが小山彰太に替わったあとの「モントルー・アフターグロウ」のこなれた奥行きの深さのちょうど中間の感じ。森山威男が「クレイ」ほど冴えないのはなぜか良くわからないが、このころの山下トリオは本当にすごかった。

デタラメとか何をやってもみんなおんなじとか言われることもあったけど、しかもその通りだけど知るもんか、音楽をすること聴くことの原始的な欲求に答えてくれる。フリーのスタイルをとることでリズムやメロディやコードやそういった「音楽の構造」以前に存在する「音楽への欲求」とはなんなのか、というのをむき出しにする。

3人が自由に音を鳴らし、あるときはまったくお互い勝手無関係に、次の瞬間何か素早いチームプレイが必要なスポーツで虚をついて相手陣地に攻め込むようにピアノの音の塊に200msecぐらいでドラムが反応して、またその次には3人が突然フレーズをぴったり合わせてびしっ、と決めを作ったりする。いや〜かっこええで。これがジャズやで、ほんま。

若者よ、「音楽から元気をもらった」なんて言葉はこういうのを聴いた後に言うために取っておけ。

大学に入って京大の西部講堂で小山彰太がいるときのトリオを聴きに行ったことがある。演奏は全然覚えてないけど坂田明が痙攣するように全身でサックスを吹いていたのは今でもムービー的記憶として甦る。

「クレイ」も「モントルー・アフターグロウ」もずいぶん長い間CDにならず、CD化されたとたんあっという間に廃盤になってしまった(30cmレコードしか持ってない)のでこれは飛びついて買いました。「クレイ」と「モントルー・アフターグロウ」も聞き直そ。やっぱりスタジオ録音よりもライブやで。


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