Traband「Kolotoč」

友人「T」からの借り物CD。

またタイトルが発音できない。バンドの名前は「トラバンド」でええのか。
阪神タイガースの鳴りもの応援団かと思ったらチェコのバンド。公式サイトもあるけどほとんどチェコ語。

「ロック」に分類するのは抵抗あるかもしれない。なにせまず楽器編成がすごい。トランペット、クラリネット、チューバ、ドラム、バンジョー（だと思う）、アコーディオン、それにヴォーカル群。コントラバスやベースギターが無く、ベースラインがなんとこのチューバ。この編成で昔のサーカスのジンタのような、耳たぶの裏より昔のことなんか知らんとでもいうようなお気楽な、でもどこかうら悲しいジプシー音楽のような曲が次々現れては通り過ぎて行く。一見（一聴か、正確には）、トラッドのバンドかと思ってしまう。

でもこのアコースティックな色調のくせに実にタイトなサウンド。それぞれの楽器のバランスが良くて音色に一体感がある。トラッドなスタイルのバンドにありがちなワンパターンの退屈さは微塵もなく、個性的で挑戦的で、よく練られていながら多彩な曲が続く。

ヴォーカルも（何いってるのか全然わからんが）曲ごとにリードが入れ替わったりするけどみんな強い声の持ち主ばかり。もちろん僕はチェコ語なんか「こんにちは」も言えないけど、どこの言葉であれ、言葉というものが持つ呪術的な吸引力がこのヴォーカルから伝わってくる。きっとチェコ語がわかったら、どこかの国のポップソングみたいに書かれた歌詞を読まないと何歌ってるかわからん、なんてことはないんだろう。

すごい。やはりこれはロックそのものだ。こんなバンドのライブは面白いだろうなあ。

ちなみにジャケットも美しい。外側があれで内側とライナー（チェコ語しか書いてなかった）はこれ。

これではよくわからんかもしれんけど、う〜ん、実にいい。