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光学薄膜設計ソフトの設計 その8「光学薄膜の微係数」 [考え中 - 光学薄膜設計]

前回分にちょっと乱暴な言い回しがあったので修正してある。要注意。まだ修正が必要かも知れんけど先に進む。メリット関数を構成しようと思ってたけど、その前に算数を。

前回、光学薄膜計算で微分を計算するのは面倒なので、その値を使うアルゴリズムは使えないと考えていた。でも、よく考えたら、それほど大変ではない、と言うことがわかってきた。微分を計算できるならいろいろな最適化アルゴリズムが使える。
ようするに、ある層の膜厚と屈折率に関する微分は、その層に対応するマトリクスだけが関係してそれ以外は定数となるので、薄膜のマトリクスから反射率や透過率を計算するとき、ちょっと余分に計算してやることで微分の値が手に入るということ。

直感的には、ある層の膜厚を変化させたとき、どんな膜構成のどの層であっても位相は線形に、透過や反射の振幅は正弦波的に変化する。しかも屈折率と膜厚の積にその周期は比例する。
もうちょっとまじめに考える。

n層の薄膜の途中のあるj番目の層の膜厚djに関して微分したとき、全体のマトリクスAのdjに関する微分は
0417eq1.png
ようするに他は定数なので、j番目のマトリクスだけ微分して他はそのままでかけ算すればいい。
第1層から第j-1層までのマトリクスをAl、第j+1層から第n層までのマトリクスをAuとすると 0417eq2.png
間違ってないやろな。ここでドット付きのajなどは
0417eq3.png
のつもり。この層の屈折率に関しても全く同じ式になる。

一方、波長や入射角の微分はこう簡単にはいかない。なぜなら全部のマトリクス入っていて微分をとるとn個のマトリクスの和になる。といってもめんどくさいだけで、それほど難しくない。例えば波長による微分を
0417eq4.png
というようにハット付きで書いたとすると、式-2と同じように(あまりいい書き方じゃないけどわかるよね、言いたいことは)
0417eq5.png
ここでjAuとjAlは項ごとに
0417eq6.png
のことだと思ってほしい。

すごく煩わしいけど、計算できるわ。効率のいい数値計算のためにはどうするか、と言う問題は残るけど。 この辺、この道の専門家なら当たり前のことなんやろなあ。回り道するなあ。まあ、ボケ防止にはちょうどええけど。

Ajのdjに関する微分の具体的なかたちは、前に数学を整理したときの式-8が(まえと添字が違ってるがな、ださ。けど合わせるのもうめんどくさい)
0417eq7.png
だったので
0417eq10.png
でいい(はず、だよな)。

ついでに波長に関する微分は
0417eq11.png
であってるでしょ。本来屈折率は分散があるので波長の関数だけど、今の目的(最適化ライブラリ用に微係数を提供する)のためには分散を無視してもかまわない。

さて面倒な屈折率による微分は、と、計算してたけど面倒でわからなくなった。 屈折率はいろんなところに入ってる。こんなもん飯食った後にビール飲みながらできる計算と違うがな。
屈折率の微分は次回にまわすことにして、今回ここまで。ああ、寝よ寝よ。
でも、微係数は何とかなりそう。めどがついた。やったぜ。ちょっとうれしい。
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