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変調弦その19「BWV1006aブーレ」 [ギター - 変調弦によるバッハ編曲]

今日は雨が降っていて暇。やりためていたことを終わらせよう。ということでBWV1006aのブーレ。

0419bouree.png

BWV1006ヴァイオリン版にはない低音の動きが面白い。いかにもバッハらしい、調子いいけど充実したこういう運びは赤の他人が編曲したのでは絶対出てこない。やっぱりバッハ本人がやったからこそ。

ヴァイオリン版を聴いてこんな低音がついているなんて思わないけど、バッハはいつの時点で思いついたんだろう。作曲年代的にはヴァイオリン版が先らしいけど、上声と低音の噛み合った感じは後からくっつけてできるものなのかなあ。 バッハはやっぱりこの曲を作ったときに低音まで含めて出来上がっていて、たまたま必要だったからヴァイオリン版を先にリリースした、と言うことじゃないのかなあ。

バッハの曲は楽器にとって物理的に不可能な音符はひとつたりとも書かなかった(楽器の音域を超えたり鍵盤楽器の片手で10度を超える和音を弾いたり等々)けども、ときどき楽器指定の無い曲があってあの楽器では音域が足りないこの楽器では弾けないなんてことのせいで演奏家たちを困らせているらしい。典型的なのは「フーガの技法」で、2声は普通のト音記号とヘ音記号の2段譜で、4声は曲によってはソプラノアルトテノールバス(ハ音記号が第1線、第3線、第4線、とヘ音記号)の4段譜で書かれていたり、二組のト音記号とヘ音記号で連弾のように書かれていたり、3声は2段譜の間にソプラノ記号が挟まった3段譜だったりする。

一応「フーガの技法」は全曲当時のクラヴィアで弾けるらしいので、単に指定しなかっただけという説もあるらしいけど、僕はそう思わない。それでは単に指定しなかっただけと主張する人にヴァイオリン譜、ソプラノ譜、バス譜の三段で書いてある3声の曲を初見で弾いてもらおうじゃないか。

これはやっぱりバッハの曲は、楽器によらない理想的な音楽として先にあって、それを演奏可能な形にバッハ自身が落としたのではないだろうか。「フーガの技法」はその理想的な形で残ったもの。

このブーレの低音の動きもヴァイオリン版の後付けでこうなったのではなく、はじめから存在していて、たまたま最初の実装がヴァイオリン版だったので物理的な問題から低音を省略しただけなのではないか、と、特に9小節目以降の8小節間、上声と対等に渡り合う低音を自分で弾くとそう思ってしまう。

ということでご確認を。全曲の[pdfファイル]
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