NHKスペシャル「マネーの暴走が止まらない」 [日常のあれやこれや]
滅多に見ないスペシャルもの。あまりこういう話をブログに書きたくない。でも見ていてうんざりしたので。いや、番組がではなく、その登場人物たちが。
小泉改革のうたい文句の印象とダブるブッシュのねずみ講じみたサブプライムローン支持の演説の愚劣さが番組では強烈だけど、そもそも世界的に金が余っていてそれが短期的な投機にしか向かわないところがシステムとして問題。金を持っているやつはただそれを増やすことしか考えていない。金を動かしても生産性は皆無。彼らにとって長期的な視点とはせいぜい3週間後いくらになるか、ということ。
金融工学の話は笑わせる。飛行機を飛ばすときのリスク回避の手法を金融に応用したと言う。皮相的。飛行機はナヴィエ=ストークスの方程式に従って飛ぶ。解がカオス的になることもあるけど法則はわかっている。それと一緒にするな、馬鹿者。それをありがたがるのもうかれすぎ。
今、回収まで5年10年かかる研究開発に投資することはハイリスクでかつリターンが少ないと見なされている。だから油や穀物なんていう現物に向かってしまう。これは小金持ちの発想で、本来はこういう余った金は基礎研究や長期的開発につぎ込まれるべきものだった。そういう小金持ちの発想が世界経済を支配してしまうことがシステムとして限界が来ている証拠だと思う。
僕の案のひとつは、ヘッジファンド専用市場を作る。どうせ彼らの金は何の価値も生み出さない。だから生産性を伴う現物なんかに手を出させず、お互いのゼロサムゲームのなかで喰い合うようにする。彼らにとってはハイリスクハイリターン。だって世界全体で見て彼らの金は役に立っていないのだから。
いや、それは冗談として、余った金から見て、5年10年かかる研究開発が魅力的に見えるようなシステムを作る必要がある。大学には半期で業績を出さなければいけない企業トップなんかのご機嫌を伺わせるのではなく、この余った金がかってに流れ込むようにすればいい。そういう世界的な経済システムが必要だと思う。特許の優遇はそのひとつだけど、それだけではうまくいかない。もっと幅広い、万人が恩恵を受ける生産性向上に対するインセンティブが必要。
ところで、僕は2年で結果を出しますから、僕の仕事に投資してもらえないでしょうか。ねえ、事業部長さん。
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