N響アワー「ピアノコンチェルト2題」 [音楽について]
今夜のN響アワーはプロコフィエフとラフマニノフのピアノとオーケストラのための曲ふたつだった。
プロコフィエフというひとの音楽には天才のひらめきとしか思えない鋭い音が現れるときがある。このピアノ協奏曲第3番もそうで、特に第1楽章にはそういう音が出てくる気がする。プロコフィエフ以外にはストラヴィンスキーもそう。ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」にはそんな音がところどころ現れる。なぜか同世代のロシアの作曲家だけどどうしてかはよくわからない。気のせいかもしれないけど。
しかし最近はこんな曲を若い人が颯爽とカッコ良く弾いてしまうのね。この曲をミスタッチなく弾きこなすだけでもすごいと思うのに、はっきりとしたタッチでプロコフィエフの即物性を浮かび上がらせる。すごい。それとも、この人初めて聴いたので他を知らないんだけど、もともとこういうキャラクタのピアニストなんだろうか。
ラフマニノフの方は使い古されたパガニーニの主題の変奏曲で、音楽的な内容はプロコフィエフと較べるとペントハウスと地下駐車場くらい差があるけどまあ、ラフマニノフなので。
弾いていた若いお姉さんピアニストも初めて聴いた。マシンガンを持たせれば秒20発は撃てます、「か・い・か・ん」(古い)、というような弾きぶり。でも風貌はかわいい女の子。僕の初恋の恵子さんに似ている。彼女も細くて華奢な体型だった。僕はこのタイプに40年近く経った今でも弱い。
件の恵子さんは中学のとき、放課後の人がいない音楽室のピアノでこっそり練習していた。僕は隣のブラスバンドの楽器倉庫でなにを弾いているのかとさらにこっそり聴いた。バダジェフスカだった。
あのなんともしょうもない「乙女の祈り」を聴くとあのころを思い出す。全然関係ないか。
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