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変調弦その25「BWV996クーラント」 [ギター - 変調弦によるバッハ編曲]

ずっと前から長いこと苦労していたBWV996のクーラントのギター編曲。やっとでけました。妥協の産物。でも、BWV996はこれで全部できたことになる。

0328courante.png

やはり3弦GをFis(F#)に下げる。BWV996はこの調弦で通して弾くことができるようになった。

BWV996のクーラントは短いけれど、繋留音の多いキーボード的な音運びで、しかもバッハにしては前半ですでにフレージングがわかりにくい部分が出てくる。どうもフランス様式があまりこなれていないような感じがしてしまう。3/2拍子と6/4拍子の交替が無理矢理な感じがするのは僕だけかな。

でも、第1小節の繋留音とその解決、繋留音とその解決、という繰り返しがちゃんと表現できればこれはカッコいい、けど非常に技術的に難しくて、なんとか運指したけどかなり苦しい。もとの3弦=Gでは指が届かないのでそれでもこの調弦のメリットはでた。

ベースラインの、裏打ちの第2拍にオクターブ下の音が来るリズムもちゃんとわかるように弾ければこれもカッコいいけど、ギターでは音域の問題からどうしても限界はある。この音は消音をちゃんとやらないと続く部分の音色を濁らせてしまうのでこれも難しい。

いくつか散らばっている装飾音符の指定は演奏可能なものは残して、それも含めて運指してある。演奏法はいわゆるフリーデマン・バッハのため「エクスプリカツィオーン(Explication unterschiedlicher Zeichen...)」に従ったけど、まああまり厳密に考える必要はないでしょ。悩むような装飾音符はない。弾くのは難しいけど。

今回からLilypond2.12.2を使っている。書き始めたとき2.10.33を使っていて、convert-lyを通してもやっぱりレイアウトは変わってしまった。うう、つらい。まあしょうがない。

完成版pdfファイルはこれ

BWV996もこれで一通り全部できたので、もう一度見直してデバグしてLilypond2.12.2でコンパイルしなおして合本を作ろう。本当は新バッハ全集を参照したいけどちょっと無理。どうせリュート曲は資料も少ないので旧全集から変わってないだろう、おそらく。

ちなみに去年IMSLPが、トラブってたウニフェルザール出版と和解して復活してる(問題となった事項や和解内容の詳細はわからないけどよかった。著作権期間の問題は改めるとして、たぶん自分で絶版にしておいてコピーが出回ると文句を言う出版社に対して現実的な解決を提案したんだろうと思う)。復活後、ブルーガー爺の「Kompsitionen für die Laute」1921年版が手に入るようになった。ドイツ語だし、付録が省略されているし、あまりきれいなスキャンではないので読みにくいけど、全音の翻訳版が絶版なので資料的価値はある。


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