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3/31メルニコフ「ドビュッシー前奏曲1、2巻」 [クラシック]

ずっと前のショスタコーヴィチでお気に入りになったメルニコフ。今回もショスタコーヴィチのプログラムもあるようだけど、今日はドビュッシーの前奏曲の1巻2巻を通しでやるというので聴きに行った。
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場所がわからなくて迷ってしまってちょっと焦った。ショスタコーヴィチほどのインパクトはなかったけど、そこそこ面白かった。

ピアノが普通の黒塗りのコンサートピアノじゃなくて「銘器プレイエル」だそうである。弦長が2、3割短く見える。僕は楽器としてのピアノがよくわからないのでなんのこっちゃ、と思うだけだった。

メルニコフはとっちゃん坊やの風貌は相変わらずだけど、前見たときより腹が出て、頭頂部が冬の火星の極冠みたいになっていた。僕はドビュッシーが特に好きというわけではないので、前奏曲が全部頭に入っているわけではない。似たような全音階や平行和音や短く刻んだ衝突する半音とかがどの曲にも出てきて、どれだかわからなくなる。

前半に1巻12曲、休みを挟んで後半2巻12曲という構成で、サクサクと進んでいく。どっちかといえば色彩的というよりは無骨な音色で、それがメルニコフ自身のせいなのか楽器のせいなのかよくわからない。フォルテのところで小ぶりな楽器をブリブリ鳴らすのはすごかった。なかなかあんな風には鳴らないんじゃないだろうか。

メルニコフは盛んにタッチを器用に変えて特徴を出そうとする。音色の幅はすごく広い。左手と右手が交錯するようなドビュッシーのいつものパターンのところでもタッチを確実に保持する。上手いなあ、とは思ったんだけど、なぜかずっとペダルを踏みっぱなしで、音色の差を潰してしまってるように思えた。まあ、それは趣味の問題かもしれない。

後半の2巻の方が制御性が良くてわかりやすかった。でも曲はどれも同じように聞こえる。まあ、それは僕の聞き方のせいかもしれない。ホールが300席ぐらいで9割がた埋まってた。客はどちらかといえば行儀よくて、いつもこういうこぢんまりした環境で聴けるとうれしいんだけど、そういうことはめったにないので、今回は良好なコンサートの部類に入る。

今回もしメルニコフが楽器を聴かせたかったなら僕はいい聴衆ではなかった。また、「俺のドビュッシーはどうじゃあ!」というのなら、ま、こんなもんだろ、という評価。最近の若い奴は難しい曲を平然とバキバキに弾くので、もう一味欲しかった、という感じ。その意味でちょっと中途半端だったかなあ、と思う。

とはいうものの、お客さんは結構喜んでいた。アンコールを三曲弾かせて、ホール側が客席の明かりをつけて強制終了した。なかなか微妙なアンコール選曲だったけど、最後がブラームスだったのが僕には残念だった。ブラームスは僕にとっては鬼門。甘っちょろい旋律を頭の中でぐるぐるさせながらうちに帰るのがいやで、死んでからアップロードされた米朝さんの落語の録音をiPodで聞きながら帰った。
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