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ラ・フォル・ジュルネ2015 [クラシック]

またラ・フォル・ジュルネの時期が来たので、女房と娘と3人で行ってきた。
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ちなみに息子はクラシックには興味ないし、そもそも今日は出社日だった....

今日はコンチェルト・ブダペストという弦楽合奏団のベルクとシェーンベルク、そのあと昼飯を食べてからリチェルカール・コンソートという楽団のバッハのカンタータ2題。女房がチケットを手配したのが昨日だったので、そのくらいしか行けなかった。
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最初のはまた例によって舞台下手のかぶりつき最前列。コンマスのおばちゃんのピアノ椅子からはみ出ている尻を見ながら聴いた。ベルクの「抒情組曲」の最初はちょっと不安定。でだしのバイオリンの高い音へのジャンプが決まらない。それでも徐々に持ち直しはしたけど会場のせいもあって落ち着かなかった。

なんだか妙に早く終わったので隣の女房に訊いたら「これは抜粋」とのこと。弦楽合奏版は3楽章しかないらしい。どこを端折っていたのか聴いてて気がつかなかった。

シェーンベルクはずっと安定していた。曲がベルクに比べれば技術的に簡単なせいがあるかもしれないけど、むしろ楽団としてやり慣れてる、という感じがした。下手をすれば甘っちょろい映画音楽みたいになりそうだと思って聴いていたけど、そもそもそういう曲だ、というのが女房の言。

しかし、なにがサイテーと言って会場がひどかった。残響はほぼナシ、後ろだけから直接の反射音が返ってくる。30cmほどの高さのステージはベコベコのハリボテで音が吸い取らるみたいで、コントラバスの音がほとんど聞こえない。ようするに倉庫みたいなところに吸音板を立てて、ビールケースを並べた上に板を置いてステージにしたようなもの。プライドの高い楽団だと怒ってやらないと言い出しても不思議ではないくらい。こんなとこに800人も詰め込んで演奏会をやろうというのはまったくもって間違っている。

ラ・フォル・ジュルネでコンディションが悪いと思ったことはこれまででもあったけど、今日ほどひどいと思ったことはなかったように思う。女房が言うに、年とともに客がだんだん減ってるように見えるという。娘も「のだめ」が流行った頃に比べれば少ないと言う。僕にはいつもの通り人がいっぱいいるように思えたけど、資金繰りとかの問題もあるのかもしれない。

バッハのほうはちゃんとしたホールだった(でも千人を超える巨大なところ)。演奏も安定していて聴きやすく、よくできていた。カンタータのコーラスはソロ歌手4人だけでやってて、女房は楽団の編成も大きくてホールも巨大だったのでちょっと寂しかったと言っていた。たしかにそうかもしれない。

そのソリスト4人は粒が揃っていて良かった。テノールのマンメルは女房のお気に入りでヘレヴェッヘのところでやってるらしい(僕が買ったカンタータの録音に参加してる)。残りの3人は知らなかったけど、女房の話だとヤーコプスと一緒にやってるらしい。ヤーコプスのほうは僕はあまり聴かないので知らなかった。アルトパートのカウンターテナーが、よくいる全編裏声でなくてほとんどを表声で処理しているように聞こえて、これはめちゃいいんではないか、と思った。多くの裏声のカンターテナーはたいてい聴いててオネエみたいで気持ち悪い。

BWV198のガンバも達者で、まためちゃ長い(弦長で2m近くある)テオルボがその隣で窮屈そうに弾いていたけど、それもチェンバロとは違う低音が効いてなかなかいい(あとで確認したらBWV198はリュート2台の指定になっていた)。BWV198はバッハのカンタータにしては編成が大きめで、メリハリを効かすのは難しい曲だと思うけど、いろいろメリハリの効いたいい演奏だった。音色のメリハリという点では、大きな音ではなかったけどテオルボの存在は大きかった。

終わってからまたBWV198の最後の合唱の12/8拍子のメロディが頭の中でずっとぐるぐるした。丸の内のなんだか知らない間にシャレオツになってるビルの間を歩きながら、気がつくと鼻歌で歌ってた。前を歩いている娘が「まだやってる」と言いたそうに一瞥をよこす。まあ、しょうがないよな....
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