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「東京JAZZフェスティバル」に行ってきた [ジャズ]

女房が久しぶりにハンコックを聞きたいというので行ってきた。女房のチケット手配が遅くなったせいで、2階席の後ろの方になった。巨大な5千人ホールをいっぱいにするほどジャズファンが日本にいるとは思ってもいなかった。ステージが奈落の底のように見える.....

コンサートそのものは3つに分かれていて、最初に小曽根真の学生ビッグバンドと3ホーンコンボの組み合わせ。学生とはいえ5千人の観客を前にしてやらせてもらえるほどにはしっかりしてる。学生バンドにありがちなリズムセクションの弱さもあまり感じなくて、それなりに楽しんだ。でもコンボのメンバと比べてしまうとソロをとるのは10年早い、という感じがしてしまう。コンボの方も手堅いけどすごく面白い、というほどではなかった。

小曽根は結局自分ではピアノを弾かず、MCに徹していた。学生にいい機会を与えてやろう、という親心だろう、学生たちには本当に最高の経験になったはずである。すばらしい。

ふたつめはパブロ・シーグレルというピアノと寺井尚子というバイオリンのタンゴバンド。お客さんにはかなり受けていた。僕はピアソラの面白さとかぜんぜんわからなくて、コード進行は結局2パターン(Am-G7-D7/F#-FとかAm-B7/A-F/A-E7/G#みたいなの)、バイオリンはマイナー5度9度のロングトーンに16分音符のせわしないオカズで、どの曲も僕には同じに聴こえて退屈だった。2度ほど寝落ちした。

最後はハンコックのコンボ。アルトサックス1ホーンのカルテットで、途中で2曲アルトのボーカルが入った。スタイルとしてはハンコックが昔やったファンクジャズの雰囲気。サックスとハンコックが盛んにボコーダを使う。まあ、御愛嬌。

何が良かったと言ってドラムとベース。特にドラムはタイトなリズムで緊張感と自由な自然さが同居した最高の演奏だった。ステージに出てきたときは変なカンカン帽みたいなのをかぶったただのデブのおっさんで、田舎からロスに出てきたけど職がなくて、でも何とかなるわ、と歩道でニコニコしながら日向ぼっこしているといった感じのオヤジに見えたけど、リズムをキープしだすとそのタイトさに引き込まれてしまった。手数が極端に多いというわけではないけど、ハンコックに答えるオカズが破綻しそうでいて踏み外さず、それに割り込むシンバルの的確さやスネアのキープ感がすごく気持ちいい。

特に2曲目のハンコックとの掛け合いは聴いていてカッコよくてぞくぞくするほどだった。5弦のエレベもタイトさでは負けてなかった。やっぱりリズムセクションがいいとそれだけで及第点。

ハンコックも見かけはかなりの年寄りに見えて、ボコーダで遊んだりアドリブでも繰り返しの多いフレーズを使ってかなりゆるい感じだったけど、決めるところは決める、というファンキーなジジイだった。70過ぎてもさすがである。

何曲目かで最初はベースが6拍のリフで始まって途中で7拍になってそれからいつの間にか8拍のリフになるという変な曲があった。聴いててまさかベースが間違ったか、と思ったけどドラムもそれに合わせていたので、そういう曲だったんだな、たぶん。ハンコックってその手のギミックを使う人だったっけ?

巨大なホールの2階席の後ろのほうで、ステージは遠すぎて何やってるかよく見えないし、音はPAを通してるので、YouTubeでも見てるのと変わらないのではないか、と思っていたけど、とんでもない。やっぱりナマにはナマの面白さがある。何が違うのかわからないけど録音録画では記録できない何かがある、としか僕には思えない。不思議だ。

こういうのを聴くとまたコンサートに行きたくなってしまう。
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