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ちょっと気になったこと [日常のあれやこれや]

Twitterみてて、偏光板2枚を直角に重ねると光は通らないけど、その間に斜めの偏光板を入れると通るようになるのが量子現象だ、というのがあった。

元の本を読んでないので、どういう文脈なのかわからないけど、古典論でも説明はつく。仕事中だけどちょっと気になったので...

光の偏光状態をジョーンズベクトルで表す。 \begin{equation} \vectorize{J} = \left(\begin{array}{c} E_x \\ E_y \end{array}\right) \end{equation} $x$方向成分を通過させる偏光板$P(0)$は、ジョーンズベクトルを右から作用させる、として \begin{equation} P(0) = \left(\begin{array}{cc} 1 & 0 \\ 0 & 0 \end{array}\right) \end{equation} 角度$\theta$の方向を向いた成分を通過させる偏光板$P(\theta)$は回転のマトリクス$R(\theta)$を使って \begin{align} P(\theta) &= R(\theta)\cdot P(0)\cdot R(-\theta) \nonumber \\ &= \left(\begin{array}{cc} \cos^2 \theta & \cos \theta \sin \theta \\ \cos \theta \sin \theta & \sin^2 \theta \end{array}\right) \end{align} 偏光方向が$\phi$を向いた光をまず$x$方向の偏光板に入れて、こんどは$y$方向に向いた偏光板を通った後のジョーンズベクトル$J_0$は \begin{align} J_0 &= P \left(\frac{\pi}{2} \right)\cdot P(0) \cdot \left(\begin{array}{c} \cos \phi \\ \sin \phi \end{array}\right) \nonumber \\ &\equiv \left(\begin{array}{c} 0 \\ 0 \end{array}\right) \end{align} と、恒等的に0になる、つまり光は通過しない。

このふたつの偏光板の間に$\theta$方向を向いた偏光板を割り込ませたときに通過するジョーンズベクトルを$J_\theta$とすると \begin{align} J_\theta &=P \left(\frac{\pi}{2} \right) \cdot P(\theta) \cdot P(0) \cdot \left(\begin{array}{c} \cos \phi \\ \sin \phi \end{array}\right) \nonumber \\ &= \left(\begin{array}{c} 0 \\ \cos \theta \sin \theta \cos \phi \end{array}\right) \end{align} この強度$I_\theta$は \begin{align} I_\theta &= J_\theta \cdot J_\theta \nonumber \\ &= \cos^2 \theta \sin^2 \theta \cos^2 \phi \end{align} これを$\theta$について微分すればわかるように、$\theta = \pi/4$のとき最大になってそのとき$(\cos^2 \phi)/4$となるので、つまり 割り込ませた偏光板を45°方向に入れたとき一番透過率が高く、そのとき1枚目の偏光板を通過する光量の$1/4$だけ通過する、ということになる。

べつだん、何の不思議もないと思うんだけど....
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