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HD DVDがBlu-rayに負ける [分類してもしょうがないもの]

このブログは、離れて住む家族への僕からの一方的な「絆」なので(綾波みたい、なんてじじいが書く台詞かよ)、あまり時事的な話題は避けているがちょっと気になるので書いておく。先日東芝がHD DVDから撤退するという発表があった。

Bru-rayの盟主であるソニーは「フォーマットの一本化が消費者や関連業界に利益をもたらし、BD市場の急速な拡大を促進すると確信している(IT media news)」とのコメントを発表した。

純粋に技術的な観点から見て、以前も書いたように決してどちらも美しいとはいえない、少なくともLPからCDのような技術的な先進性は全く認められない。

DVDフォーラムでリーダの1社である東芝は現行のDVDの延長線上で次世代も囲い込みたいと考えてHD DVDを提案した。現行DVDの技術の多くを継承した形、特にメディア(厚さ0.6mm)を変更せずに済むような規格にすることでDVDフォーラムからの提案の形にこだわった。

逆にフィリップスと一緒にCDでおいしい思いをしたソニーはDVDフォーラムとは距離を置いていたが、90年代以降DVDが動画のパッケージとしての地位を確立していくに従って焦りが出て(その昔、CDと同じディスク厚1.2mmのMMCDなんていう規格を提案している。HD DVDと発想が全く同じ)、その次世代フォーマットを煽りだす。その結論がBlu-rayとなる。時期的にはHD DVD正式提案の前に、技術的にはDVDとの継続を断ち切る(メディア厚さ0.1mmとN.A.=0.85など)形で優位性を主張した。

だが、何度も言うがどちらも技術的にはCDの発想を一歩も出ていない。CDが確立した半導体レーザ、光学システム、デジタル変復調、誤り訂正、メディア複製などの要素技術が理解できれば「次世代技術」と呼ばれているものはすべてその延長線上で理解可能である。なにも新しいことはない。すべては単に「パラメータ調整」の範囲の「設計事項」でしかない。

技術的な観点から見るとCDでは、微小欠陥を許さないディスク複製や、数万円もする中倍率顕微鏡対物に匹敵する性能を要求する読み取りレンズなどのトレランスを確保するために、それまでに無いいろいろなアイデアを考えだした。一方Blu-rayやHD DVDは「作るのは大変だろうけどがんばってね、一枚のディスクにたくさん入れたいから」と言っているに過ぎない。つまりこれらの「次世代技術」は半導体を含めた個々の部品やディスクの製造技術の進歩の上に成り立っているに過ぎないと言える。「次世代」を称するなら、HDDの「垂直磁化」に匹敵するぐらいの「垂直光記録」でもやってみろよ、と言いたい。

そう考えると、実は「次世代光ディスク」というのは技術的な先進性や、もっとはっきり言えばユーザにとってのメリットは(容量がちょっと大きい以外に)何も無く、実質的にDVDフォーラムと、対するそれ以外のメーカのぐちゃぐちゃした企業戦略の産物でしかないということがわかる。

マスメディア、コンテンツホルダ、小売り量販店、先端ユーザ、みんなが踊らされていないか?本当にBlu-rayは「Rest of us」に必要なものなのか?

多分その答えは本物の「Rest of us」がそのうち提示してくれると僕は思っている。

それと全世界のおそらく数万人の光ディスクに携わる技術者よ、本当にこれでいいと思っているのか?そっちの方が僕には大きな心配ではあるのだけど。

追記:
ちなみに僕はBlur-rayは必要ない。ROMは1080iを再生できる環境なんか持っていないのでDVDで十分(だってiMacしか持ってないもん)。バックアップ用としてはDVDよりもさらに信頼性が低いメディアなんか使い物にならない。アナログ8mmテープに撮った子供たちの小さい頃のビデオはDVDのフォーマット(VIDEO_TS)にして全部HDDの中。130GBほどになるのでなんとかしたいけど、DVD-Rなんか信用できないし。


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