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偏光の計算 - その3 [偏光のMathematicaによる計算]

昨日の続き。一昨日ストークスパラメータ、昨日ポアンカレ球、今日ジョーンズベクトル。ホップ、ステップ、ジョーンズ。うわ。

ところで、会社の居室の隅に置いてある白い防災ヘルメット。ホワイトボード用のペンで書き込めて拭けば消える。これをポアンカレ球の北半球と見なしてプレゼンに使うことを覚えた。ツカミにいいし、便利。

ジョーンズベクトル

ポアンカレさんの思いつきからさらにまた50年ちかく経ってイギリスのジョーンズさんがジョーンズベクトル(Jones Vector)を考えた。

単色平面波の電場Eは3次元のベクトルだけど、ジョーンズさんは偏光の状態の変化だけに注目した。z軸方向に進む電場はEzが恒等的に0なので残りのExとEyだけを取り出して2要素のベクトルにした。そしてさらに時間と場所に依存する係数

0219eq10.png
をくくり出して無視することにした。単色平面波ではどこでもいつでもこの係数がかかっていることになるので無くてもよい。

つまり

0219eq11.png
というふうに。ここでa1、a2、δ1、δ2は実数の定数で振幅と位相の項だけにした。当然これだけで単色平面波の偏光状態は十分に指定できる。さらに、位相はその差が問題になるだけなので
0219eq12.png
としても同じ偏光状態を表す。光の偏りがわかった時点でなんでこういう表現を考えなかったのかよくわからないけど、ジョーンズベクトルを使えば波長板などは簡単に表すことができる。

ストークスパラメータをこのジョーンズベクトルの定数a1、a2、δを使って表すと

0219eq14.png
となる。これもめんどうだけどごりごり強度の計算をすればいいだけ(ストークスパラメータの時と同じでs3はちょっと工夫がいる)。さっきも強度は規格化したので
0219eq15.png
とすべき。このためには新しい定数αを使って
0219eq16.png
とでもしておけばいい。

これで準備完了。偏光の状態をいろいろなやり方で表現できることになった。それぞれの利点欠点をつぎに考える。


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