送別会

今日も送別会だった。
前回、飲み過ぎて土曜が丸一日なくなってしまったので、自重した。あまり飲まなくても7千円取られてちょっと痛い。
今日は僕より二つ下の技術屋が、また早期退職制度を使って会社をやめる。僕にはちょっとショックだった。
彼はずいぶん前から薄膜物性の専門家として社内だけでなく社外からも頼りにされていた人物で、技術の面では硬骨漢で仙台の名物男だった。ただ、社内では上との衝突も厭わなかったせいで僕から見ても処遇は決して高いとは言えなかった。
彼が社内で育てた技術はいろいろあるがこの5年ほどはいろんな事業部がよってたかって「これはうちがいる」「これはいらん」とか言って腑分けをするようにちりじりになっていった。
僕とはこれまで仕事上の接点はなかったけど僕が本社にいた頃も名前だけはよく聞いていた。宴会場のトイレでつかまえて5分ほどだったけど、話を聞いた。
どっちみち55歳になったら晴耕雨読の生活をするつもりで10年かけて準備してきた、それがちょっと早くなっただけだ、という。
彼は会社が昔とは違ってきた、と言ってそれをひとつひとつ指摘した。特に彼は「組織が若者を育てようとしなくなくなった。トップがどれほど立派なことを言っても現場がこれでは」という。
僕も彼が言うことはよくわかった。でも彼はやめて僕は残る。「それは、ひとそれぞれだから」と彼はさばさばしていた。
寂しい。
来週もまた別の送別会がある。