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日曜美術館「クレー」 [日常のあれやこれや]

今夜の日曜美術館の再放送は僕が大好きだったクレー。今でも大好きだけど、高校の頃は心酔と言っていいほどだった。

小学校の頃、近所の同級生のうちが大判の美術全集を持っていて、いつも見せてもらいに彼のうちに通った。彼自身は絵が巧く彼とは趣味があった。彼とはマグリットやシャガールやエルンストやデルヴォーやそしてなりよりもダリを二人で眺めていた。庭に面した部屋にその全集はあっていつの間にか外が暗くなってるということがあった。

彼は卒業の前に引っ越してしまったが、中学に上がったとき図書室に同じ美術全集があった。そこで彼がまったく無視していたクレーの巻(二人で1巻というのもあったがクレーは一人で1巻だった)にハマってしまった。

まず、音楽的だった。音楽を題材にした画家は他にもいるが、画面から音楽を感じるのはクレーしかいない。記号的なのにそれぞれが生き物のような線、小さな色の点でも単なるグラデーションではないひとつひとつが自分はここにいると主張しているような色。

高校では天使の素描の真似をよくした。落書きのようなほんの5、6本の線が組み合わされているだけの絵なのに淡い存在感が紙の上に定着されている。特に「忘れっぽい天使」は思春期の男の子の琴線に触れた。真似をしようとしてノートや教科書の隅に何度も書いた記憶がある。

今日言及はなかったがクレーは非常に多作の画家でしかも日本では人気があるらしく10年に1回以上の割合でクレーだけの展覧会がある。1970年以降で日本の各地をまわったクレーの展覧会はたぶんほとんどみている(仙台に来てから1回あってそれは行けなかった)けど、同じものを見かけるということがない。クレーの作品を全部見る、ということはあるんだろうか。

どうでもいいけど、NTSCの色域+iMacの液晶の表示では、クレーの色がぼやけた眠いなんだかわからないものになってしまう。しょうがないのだけど残念。絵をテレビで見るということはこういうことなのだけど。

その後のN響アワーではワーグナーの「指環」のいいとこどりした「オーケストラル・アドベンチャー」なるもの。エド・デ・ワールトが振った。ブリテンの「管弦楽入門」みたいなもんだけど、聴いているうちにこれは反則技やな、と言う感じがしてきた。いかにもかっこいい、派手なとこを繋ぎ合わせている。ひでえ。ところでハープが6台ってワーグナーの指定なの?初めて見た。ついでにワーグナーでしか見かけない変な金管楽器も見ることができた。

後半舞台の袖から出てきた人物を見て、とうとうN響アワーに天童よしみが出るようになったのか、と思ったらスーザン・バロックだった。このスーザン・バロックはヴォーリュームはあってオーケストラに負けることはないけど、盛りが過ぎたのかはっきり言って下手。緻密な表現ができなくなったみたいでフォルテでは荒い。低音は地声だし。


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