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6/5のNHK教育「芸術劇場 - ラ・フォル・ジュルネ」 [クラシック]

先週の放送の録画を見た。

ラ・フォル・ジュルネは安いので毎年ずっと女房と二人で聴きに行ってた。今年はお題がお気に入りのバッハだったのに、とうとうお気に入りのチケットが手に入らず初めて流してしまった。テレビ放送で我慢する。

テレビ放送の1曲目は鈴木雅明のカンタータBWV78番。古楽系のわりには大きめの編成だけど、鈴木雅明らしいシャキッとしたバッハだった。僕の大好きな第2曲の「Wir eilen mit schwachen...」のデュエットはカウンターテナーがソプラノに負けてた。曲の音域がちょっと低かったという感じ。そのすぐ後のエヴァンジェリストの音程もちょっと気になった。しかし全体的には緊張感がありながら澄んだ演奏だった。こういうのやっぱり現場で聴きたかったけど、もちろんチケットは手に入らなかった。

番組の2曲目はエウローパ・ガランテというバンドのヴィヴァルディの「四季」。これは僕はあまり感心しなかった。アジタートなヴィヴァルディは流行なのかもしれないけど、技術的に問題のある音は気に入らない。この前何かの拍子に聴いたレッドプリーストというバンドがやった「四季」の方が面白かった。レッドプリーストの方がアイデアが豊富だったし技術的な問題は皆無だった。

レッドプリーストは自分で色物であるという自覚がちゃんとある上で、どうせ反則技なんだからとことんやろうという潔さがあったが、このエウローパ・ガランテはそれに較べれば中途半端。それ以上にソロをはってるオヤジの細かいフレーズが適当に流れてしまうのは良くない。技術的な面を満足した上でなければ評価は難しい。

バーバラ・ヘンドリクスのヘンデルではヘンドリクスが健在だということが確認できたが、それ以上に弦長が2mを超えそうなテオルボを見れたのがうれしかった。弦は自分で編むしかないだろうなあ。それともダダリオとかの何でもやってくれそうなメーカにナイロン弦を特注するのかなあ。すごい。

そのあとのコンセール・フランセというバンドのカンタータBWV33番は初めて聴く曲。バッハのカンタータって2百曲以上あるのでまだ半分以上知らない。シュヴァイツァーなら羨ましがるところ。この曲はソロが4声いてコラールもソロで済ませる演奏だった。スタイルとしては分類するなら古楽系と近代オーケストラの折衷型か。編成は小さいながら古楽系にありがちな輪郭のはっきりした乾いた音色ではなくしっとりとして色彩的な音。何となく懐かしい。カウンターテナーは鈴木雅明のところのより響きのある音色でいい。

それにしても、ラ・フォル・ジュルネはチケットが手に入りにくくなった。クラシックでも値段が納得できるなら人は入るということだ。昔、女房と二人でコンサートの安い席を買って行くと、客席の真ん中の、クラシックでなければPA卓が陣取っているあたりの席がガラガラで、客は壁にへばりつくようにいるというのが一度ならず、というかしょっちゅうそういうことがあった。

あるコンサートで、休憩時間に女房と二人でそのガラガラの席のど真ん中の前寄りに移ろうとしたら係員に制止されてもとの席に戻された。演奏者がステージから見るともっと情けないだろう。遠巻きの暗いところに人はいるけど聴いてほしい目の前の席には誰もいない。無人の座席に向かって演奏しなければならない。それではあまりに可哀想だと思ったんだけど。

どうかしてる。ウィーンフィルの来日ならS席2万8千円でもいっぱいになるのかもしれない。呼び屋の計算が悪いのか、でもこれではだれもクラシックのコンサートに来なくなっても不思議ではない。


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