考え中 - Fourier領域と実領域の光(7) [考え中 - FDTD法の実装]
別に新しいことはない。何も足さない、何も引かない、解釈の問題。なんのこっちゃ。では、もう少し続ける。
ということは
「平面波」と呼んでいるものは、実はFourier展開したときのひとつの項を表している、ということが言える。Maxwellの方程式が線形(もちろんεとμが線形の場合)なので一般のひとつの項について言えることは、すべての項で言え、従って展開する前の場について言えるというわけである。そしてεやμは実時間空間では畳み込みだったが、Fourier展開のある項に着目した場合、単なる定数になる。
また式-37という条件があって、Fourier展開する上では係数は複素数でなければならないが、足し算(積分)した実時間空間の場の量には虚数は現れない。それは実数部だけが意味があるわけではなく、Fourier展開の性質から実数部はもとの場の対称成分(偶関数成分)を表し、虚数部は反対称成分(奇関数成分)を表していて、複素数であることが本質的に必要である。
もう少し具体的に言うと、例えば普通平面波と呼んでいる
は式-37を満たしていないので解とは言えない。もっとも簡単な展開は である。これなら式-37を満たしている。 式-34の積分の形で書くなら となる。ただし の意味である。 ようするに少なくともふたつの項の足し算でなければ式-37を満たすことができないのでこうなる。また、位相を問題にしなければ(どっちみち光の絶対的な位相を測定することはできないので)E0は実数でよい。
式-50は複素数を三角関数で書けばすぐ
となり、実の場になっていることがわかる。この最小の式-50は式-49の実数部をとったのと同じになる。エネルギーに比例する量U
を50をUxに代入すると となって、式-49の実数部を取り出して2乗した結果と一致する。これは見かけの問題で中身は式-54だから当然である。これが「実数部をとる」という意味である。Fourier展開した係数が複素数であることの意味をもうすこし考える。
2009-06-17 22:02
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