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正N角形のN→∞は円か? [日常のあれやこれや]

昨日、つる美さんからメールをもらって、それに正多角形の角の数を増やした極限は正円になるとすると、角(かど)が増えていった極限は角の数が0になるのか、という疑問があった。もちろんそれが主題ではなくて、例によってダジャレから話が逸れていった結果なんだけど....

円周率の具体的な数値を求める方法として、正N角形のN→∞の極限が円になることを使うというやりかたがある。頂角を中心に置く2等辺三角形の底辺の和として円周を計算して、その収束先として円周率を得る。
0220regularpolygon.png
このようにどんどん角の数を増やしていけば円に近づいていく、というのはナイーブな観察ではよくわかる。

では正N角形のN→∞の極限は、本当に円か?というのがつる美さんの疑問である。

ちょっと考えてみて、正N角形をx-y座標(デカルト方式)の上に描いてそれぞれの辺を式で表したとすると、例えば角(かど)のところで辺の傾きはジャンプする。つまり角のところで微分不能になる。上の図のようにひとつずつ角の数を増やしていった極限を考えると、その微分不能の点は周上に可算無限個存在することになる。円は周のあらゆる点で微分可能だからこれは違ったものだと言える。

しかし、よく考えると、角の前後の辺の微係数をまじめに計算して、角の数を増やしていくとその極限では前後の微係数の極限は一致すると思える。一般の角でちゃんと証明しようと思ったけど僕の能力ではできなかった。でもこれは正しそうな気がする。だとすると極限ではすべての点で微分可能になる、ということになる。

しかし、さらに考えていくと、角と角の間は直線なので微係数は一定である。極限では角で微係数は一致するのであれば、全部が一定になってしまって曲がらなくなってしまう。おかしいな。どこで曲がってるんだ?

では逆に、たとえば極限でも角の位置で微分不能だとすると、角と角の間は微係数が一定だから、多角形の極限で周上の微係数の値の種類は可算無限個しかない、ということになる。当然円は周上の微係数は連続なので無限の濃度の差がある、ということになる。ようするにこの場合は、多角形の極限と円とは別物だ、ということである。

しかし、もっとよく考えてみると、角の増やし方による、ということに気がついた。例えば
0220regularpolygon1.png
を見てもらいたい。これは1/4円を表していてさいしょはその途中に角がない赤線(全体では4角形)、つぎは途中にひとつ角を作った緑線(全体では8角形)、次にさらにその途中に角を作った青線(全体では16角形)、と言うふうに、N番目の多角形は正2N角形を作るとする。このN→∞の極限で角の数は非可算無限個、つまり連続の濃度になる。

これはようするに周上のあらゆる点が「角」だ、ということになる。この場合は円と同じとしか言えないだろう。この場合、角なんだけど微分可能になるはずだろう。でないとおかしいよな。角は連続に並んでしまってその間はなくなる。では辺はどこへいったんだ?

よくわからないな。こういう無限の扱いは難しい。一方で、円周率を求めたり、それ以外にも円周の長さや円の面積を求めたり、ということではこういう疑問はなくなる。ようするに積分操作の結果だけを問題にすれば、角の増やし方みたいな話はどうでもよくなって何をしようと極限の結果は一致する(微妙な話になったらルベーグ積分を考えればいい)。つまり正多角形の極限と円とが一致するかどうかはなにを問題にしてるか、に依存する、ということなんだろうか。

僕の数学の能力ではこのへんが限界。数学に詳しい人、ヘルプ、お願い。
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コメント 4

zyx

こんにちは。正N角形のθ方向の動径 r(θ, N) の極限が、円の半径 R に等しいかという問題ならば肯定されます。収束を示すにはε-δ論法です(→Wikipedia: "(ε, δ)-definition of limit")。また一様収束ですので、円周や面積の収束も保証されます。
by zyx (2012-02-25 00:58) 

decafish

コメントありがとうございます。
そうですね、角の位置を指定するのは極限ではn番目ではダメで別の指定の仕方が必要になるのはわかりました。この場合、中心から見た角度θの位置で指定すると角は2πの有理数倍の位置になって無理数倍の位置は辺のところに対応することになります。
一様収束性はほとんど自明(辺の中点をとればいい)なので積分操作を伴う量が収束するのは理解できます。
微係数のような量はどう考えたらいいのでしょうか(r(θ,N)とすると角の微係数は収束して微分可能になると思います)。またr(θ,2^N)のような場合も同じなんでしょうか....
by decafish (2012-02-27 20:59) 

zyx

こんにちは。頂点にならない角度θはいたるところにあり(例えば2 Pi ×無理数)、微係数は円のそれに接近します。(sin x)/x が x=0 において値が未定義なのか 1 なのかが気になることに話が近いでしょうか? (なおBlancmange curve も w=1/4 で放物線に接近します→ en.wikipedia.org)


by zyx (2012-03-04 17:57) 

decafish

典型的な疑問としては、先にも書いた角をひとつずつ増やしていったN角形の極限では周の微係数の値の種類は加算無限個しかないのではないか?というものです。

N角形の辺はN個の直線でできているので、その周をぐるっと回ったときに微係数の値はN通りしか現れません。一方でN角形上のすべての点はN→∞で円周上の点との最短距離は0に収束します。

すべての点で一致してるのにその微係数の値の種類は全然少ないというのは、同じとは言えないのではないか、ということです。
それともどこか考え方がまちがってるんでしょうか....
by decafish (2012-03-05 20:39) 

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