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NHK音楽館「フィラデルフィア管弦楽団演奏会」 [クラシック]

日曜の夜にEテレでやってる数少ないクラシック音楽の番組。今夜聴いたのはヤニック・ネゼ・セガンという若手カナダ人指揮者でフィラデルフィアがやったモーツァルトとマーラーの交響曲。

モーツァルトは最後の41番の交響曲。機動性の高いオーケストラがスタイリッシュですっきりとした音色で鳴らした、という感じ。現代的な若々しいモーツァルトで気持ちいい。一緒に聴いていた女房は「スポーツカーのようだ」と言っていた。女房によるとムーティのフィラデルフィアは「黒塗りのセダン」だと。なるほど、わからなくもない。

フィラデルフィアというと僕はオーマンディ時代の録音しか知らないので、明るくて大きな音の出るケバケバとしたオーケストラというイメージしか無かったけど、40年以上も前なので世代交代も進んでいるんだろう。きびきびとした動きと声部がはっきりと聞き分けられる対位法は好感が持てる。フィナーレは曲のすばらしさもあってちょっとうるうるしてしまった。しかしこの曲はほんとに何度聴いてもいい曲だわ。

その後はマーラーの1番。オーケストラの人数がほぼ倍になった感じ。マーラーではオーケストラの機動性の利点がさらにはっきりする。指揮者の微妙なテンポの変更にオーケストラ全体がぴったりとついてくる。陸上競技でも見ているような気がしてくる。ピアニシモは木管楽器でさえ音量を抑えて繊細さを強調する。

でもマーラーの異形性は伝わってこなかった。ディズニー映画のようなわだかまりのない明るくさわやかな音楽になっていた。いや、まあこういうマーラーもアリだろう。今の時代、いちいち曲の内面を掘り返していたんではキリがない、と言っているようにも聴こえる。すごくカッコいいマーラー。

しかしなにが大バカと言って、客席に空席が目立った。前の方はガラガラ、後ろのオルガン席にさえ空席がある。興行収入の点から言っても高価な空席が残るよりは少しチケットを安くしても満席にする方がいいはず。それにセガンという今世界的に売り出し中の若手指揮者と、普段滅多に来ないフィラデルフィアの公演に空席を残すというのは、今後の興行を考えれば非常にマイナスとしか思えない。僕だったらセガンになら間違いなく満席にできる値付けをするけどな。

呼び屋はなにを考えてるんだ?ボケてるとしか思えない。
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サンフランシスコ人

フィラデルフィア管弦楽団の演奏会に約40回行きました....

by サンフランシスコ人 (2016-03-15 07:36) 

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