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わはははは、そうだろうそうだろう [日常のあれやこれや]

このGIGAZINEの記事に笑ったわらった。ヴァイオリニストにとってストラディヴァリウスが一番いいとはかぎらない、という結論。こういうの僕はほんとに大好き。

レベルで言えばこの記事に比べると足元にも及ばないけど、僕が50年近く弾いてきたギターとの付き合いの経験から言うと、演奏者にとって楽器にいい悪いはなく、自分に合うか合わないかしかないとしか思えない。大学のころ、僕はなぜかクラシックギター部なんてクラブに所属していて、そこで先輩たち自慢のギターを触らせてもらっていた。もう40年前の話で、今では手に入れることが難しくなったギターに適した木がまだ世界的に流通していた時代だったし、もちろん今とは貨幣価値も違うので、1台数十万円の楽器でも今に比べれば名器がゴロゴロしていた。

でもその何台かは僕がいくら頑張っても全然音の鳴らない楽器だった。とくに田部さんという2年先輩の持っていた楽器(チェロ用みたいなゴツいギターケースに入っていて持ち手のところが独特の形をしていたのでこっそり「尿瓶」と呼んでいた)は、僕が弾くとぼこぼこ言うばっかりで何にも鳴らないし、すぐ音が途切れる感じがする。ところが持ち主が弾くとちゃんとした音が鳴る楽器だった。いっぽう同じ学年の別の先輩で松本さんという人の楽器は触るだけでぶいんぶいん、という感じで音が出るので気持ち良くてしょっちゅう弾かせてもらっていた。

ギターは軽い木を使うせいで、長持ちしない楽器の筆頭なので、17世紀の名器なんてものが実際に演奏に使われることは皆無なんだけど、それなりに名器信仰はある。でも僕はそういうのを信用しないし、そもそも僕はもう人前で弾くことはなくて、作曲者との対話のためと自分自信の反省のためにひとり弾いている。それには名の知れた名器である必要はまったくなくて、それよりも僕の言うことを聞いてくれる楽器が一番である。そういうのはアマチュアの演奏家だと共感してくれる人がいっぱいいると思うし、プロの演奏家でも理解してくれる人はいると思う。

なにが僕に理解できないと言って「庄司紗矢香はヨアヒムよりレカミエの方が深みが...」「マイヤースはモリトルの渋みが加わって..」なんていう奴がいること。演奏家本人よりもよくわかるらしい。うそをつけ、っての。
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