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あけましておめでとうございます [日常のあれやこれや]

今年もよろしくお願いします。

今年の年賀状は野ネズミのぐりとぐらのパロディ。
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年末年始は忙しいのでコピーを作って作業効率を改善しようとしたが、エラーがあってコピー体は役に立たなかったぐりとぐら
というお題。まあ、かわいいネタ。

最初はバンクシーの傘をさしたネズミのパロディをやろうと思って下絵をいくつか描いたんだけど、女房に
「却下」
と言われそうなネタばっかりだったので諦めた。「ぐりとぐら」ならどんなにひねっても拒否されないだろうと....

ちなみに僕はバンクシー本人の姿勢は評価するけど、彼の作品のほとんどを評価しない。彼の作品はたとえて言えばデュシャンのダダ作品のいくつかとか、音楽で言えばジョン・ケージの「4分33秒」などと同じで「一発芸」であって、それらは絵画の(ジョン・ケージの場合は音楽の)ボキャブラリを増やすことに貢献していない。

以前から何度か書いているけど僕は、音楽も絵画も、また数学もそれぞれの「言語」で組み立てられていて、何百年もわたって積み重ねられてきたその「ボキャブラリ」を駆使することで新しい表現が作られてさらに積み重なっていくものだと思っている。ひとつの作品に影響を受けて別の作品が作られ、それらが折り重なって広い裾野と高い頂上を持つ山になる(また、例えばモダンジャズを知らない人がモード作品を聴いてもただのデタラメにしか聞こえない。つまり「言語」を理解するためには「ボキャブラリ」に対する「リテラシ」が必要になる。それは別次元の話なのでまたこんど)。

バンクシーは最高に頭の良いアイデアマンで、自分の作品が社会的な影響力を発揮するように作品を構成する方法を完全に理解している。しかし彼のあとに続くことのできる画家はいない。それは作品が許さない。それはバンクシーに続く新しい作品ではなく、単なる「パクリ」になってしまうからである。その意味でバンクシーは孤高である。「4分33秒」にも同じことが言える。

専門家のお墨付きをもらわないとただのペンキ屋の落書きになるバンクシーの作品が大金で売り買いされる(多くの場合バンクシー本人には1銭も入らない)。僕は「アホちゃうか」としか思えないんだけど、それも彼の思うツボなんだろう。僕としてはそこを突いて笑い物にする作品を彼にお願いしたい(「愛はゴミ箱の中に」はそれに近いけど、結局高値で落札されたので、ちょっとスベった感がある)。

...なんて元日からめんどくさいことを書かなくても良いんだけど、僕は今年も零細企業で光学の「一発芸」を捻り出さないといけない。ああ、バンクシーの頭脳とアイデアのひとカケぐらい欲しいもんだ。

今年もよろしくお願いします。
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