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変調弦その13「BWV1006aプレリュード」 [ギター - 変調弦によるバッハ編曲]

この三連休は寒くてどこも出かけないで食っちゃ寝を繰り返していた。
今朝、外は氷点下ですぜ。

ということで新しい編曲、というか運指も進んだ。
今回は名曲BWV1006aのプレリュード。


ああ、バッハがこれをリュートに残してくれてよかった。ギターで弾けることがうれしい。バッハは自筆譜に「リュート用」とは書いてないせいで旧バッハ全集では「クラヴィア曲」に分類されていた。新バッハ全集はどうなってたっけ?

もとは超有名な無伴奏ヴァイオリンパルティータのBWV1006で、これはバッハもお気に入りだったと思えて、このBWV1006aの全曲異稿と、カンタータのBWV29「Wir danken dir, Gott」の第1曲「Sinfonia」にこのプレリュードをまるまる使っている。カンタータの方はトランペットとティパニを従えたオルガンがこのパッセージを弾きまくる。ちなみにこのカンタータは使い回しが多くて第2曲「Wir danken dir」のコーラスはロ短調ミサの「Gratias agimus tibi」と歌詞が違うだけ(音節数に合わせてちょっと2節目のフレーズが違っている)でまるまる使ってる。でもどっちもバッハの中では超名曲のうちに入る。バッハも出来のいい曲は気に入ってたんだろうな。

戻ってこのBWV1006aのパルティータは自筆譜では楽器指定がなくてト音記号とヘ音記号の2段譜で書いてあるらしいのでリュート用になかなか見えないけど、その音域の低さ(原曲のヴァイオリン用のオクターブ下で、2段譜ではフレーズが両方の段を行ったり来たりする)はいかにもクラヴィアとしては不自然に見える。こないだのBWV999も原調はハ短調でト音記号とヘ音記号の2段譜で見ると異様に低い。逆にリュートだと考えるとどっちも楽器の自然な音域に収まっているし、ヴァイオリン用と比べたとき低音や中声部の和音が補われているけど、クラヴィア用と考えたら左手が遊びすぎている。実際、BWV29のSinfoniaのオルガンパートは左手が新しい対旋律を弾いたり、1拍目にベース音、2、3拍目に和音を刻んだりでそれなりに両手を使っている。そう考えるとこれはもうリュート用にしか見えない。

ヴァイオリンと違ってリュートでは音が残る(弦が異なる音は積極的に消音しない限り)のでまた違った音色の面白さがある。特に分散和音の音形が続く部分は繋留音のように響かせることができる。バッハはこの効果を狙ってリュート用に書き直したのではないか、と考えるのは行き過ぎか?

ということで、ギターで3弦をfisに下げて解放弦をいっぱい使って運指してみた。消音せずに弾くと面白い響きのところがたくさんある。それにもとの調弦では3弦の解放弦の出番はほとんどないのでfisに下げて解放弦を使うことで左手が楽になる場所がところどころある(逆に弾きにくくなってる所もちょっとあるけど、平均すれば勝ち)。

[pdfファイル]はこれ


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