玄箱が壊れた [日常のあれやこれや]
debianをインストールした玄箱が壊れた。僕のMacBook Proと息子のMacBook Air用のネットーワク経由TimeMachineボリュームとして使っていたんだけど、うっかり100VACのプラグを抜いてしまって、立ち上げ直そうとしたら、電源が入らなくなった。バラしてみるとスイッチング電源は生きててちゃんと5Vを出力してるんだけど、基板の中に入ったあとのVccが上がらない。
ところで、これは僕がバラしたせいで壊れたのではなく、壊れたのでバラしてみたところなので、おまちがいないように。
この玄箱は仙台に行く前に買ってdebianを入れて、仙台にいる間にIDE→SATA変換基板を滑り込みで買ってHDDを2TBに入れ替えて、そのまま持って帰ってきてうちのネットワークにつないでいた。だからたぶんもう10年近くになる。ということは10年間電源入りっぱなしだった。3日以上止まったのはたぶん震災の直後だけ。外装のプラスチックが指で触るだけでポロポロ崩れる。「俺はもう疲れた」って言ってるみたい。
でも、うちに無線で繋がるTimeMachineがないとやっぱり心配だし、息子のMBAはうちにしか全体バックアップがない。どうしようか....
最初はRaspberry PiのB+にHDDを抱かせて有線接続しようかとも思った。でもタンスの上のすみっこに置きっぱなしになるので、ケースに入れないといけないだろうし、うちの中ではいつの間にか有線は1000Base-Tで無線は.11nかacになっていて、どうもRaspberry Piでは非力かなあと思った。
そこでふと見つけたのがLivaという小さいWindowsマシン。出てからもうずいぶんなるらしいけど、僕は全然知らなかった。ハードウェア的にはRaspberry Piに比べればずっと強力で、なのに値段は実売でRaspberry Piの3倍ほどで、それはこれまでに僕が玄箱本体に投資した金額と同じくらい。驚きである。GPIOみたいな外とのインターフェイスが要らなくて、でもRaspberry Piでは非力、というようなアプリケーションにはいいかもしれない、ってどんなだかよくわからないけど。
シリーズはアップデートされて今はLiva X2になってるらしいけど、僕には外装以外どこが違ってるのか理解できないので、新しいのより安い方と考えて初代(だと思うけど)のメモリ2GBストレージ32GB(eMMCという規格のフラッシュらしい)を、先週工場にいる間にぽちってあった。
見るからに小さくてしょぼいチープな感じの外装デザイン(だけど中を開けて基板を見ると結構しっかりと設計されているようで、基板の上の部品もぎちぎちの実装ではないけど最適化された配置に見える)。取説には組み立て方とかあったけど、開けてモニタとキーボードと電源をつなげばあっという間にWindows8.1が立ち上がった。僕はWindowsは全然ダメで、持っていても豚に真珠猫に小判宝の持ち腐れなので、立ち上がることが確認できたらすぐdebianを入れることにした。
Livaがリリースされた頃はdebianはwheezyでインストーラがeMMCに対応してなかったらしいけど、jessieだとOKとあったので、MacBookでnetinstを落としてきて、その辺に転がってたUSBメモリにコピーした。
そこにたどり着くまでにいろいろあった。debianのサイトは全方位対応のインストールを考えているらしくて、膨大な量の記述があるけど、普通にやるにはどうしたらいいか凄くわかりにくい。最初インストールCDを落とそうと思ったら全部で5GBぐらいある。サイトには「httpで落とすな、jigdoを使え」とあったのでまずそれを落としたらOS Xでは使えない。arm版があったのでRaspberry Piのjigdoをインストールして落とそうと思ったら、Raspbianのaptに無くて、ソースを落としてきてちんたらコンパイルしてたら、あれがないこれが要るとか言われて全然進まない。
あとになってnetinstがあると知った(最初に気がつかなかった僕が悪いけど、サイトも悪いぞ)。そっちは300MBぐらいだったのでなんとか落としてきたけど、そのisoイメージをインストールの時にどうやってマウントするのかわからない。サイトをぐるぐるしても具体的にどうすればいいのか全然わからない。結局他所様のサイトで、USBメモリに単にddでバイトワイズのコピーしてそこからブートするように設定するだけでいい、というのを知ってあきれた。そうならそうと書いてくれよ。今はそんな簡単になってるなんて、年寄りは知らないじゃん。
だいたい、debianのサイトは情報がフラットなんだよ。何が必要でなにがいらないか、中身を読むまでわからない。保守性の強さと網羅主義がこういうところに悪さしてるんじゃないのか。
などとブチブチ文句を垂れながら、LivaのUSBポートに挿してBIOSでブートの優先順位を変えればいい、ということまではわかったけど、BIOSの設定モードに落ちずにすぐWindowsが立ち上がってしまう。deleteキーの押し方やそのタイミングなのかと何回もやり直したけど全然上手くいかない。また他所様をググって、デフォルトでファストブートが設定されていてそれだとタイミングが厳しくなる、ということを知った。そんなのがあるのかよ、だってWindowsなんて知らないもん。取説に一言でいいから書いてくれてればいいのに。これも普通の人にはあたりまえなのか。
ヘッドレスで使うつもりなのでKDEなんかのデスクトップやブラウザは入れないで、代わりにsshを入れる設定でインストールしたら30分ほどでdebianが立ち上がった。拍子抜けするほど、えらい簡単。sshでログインするとRaspberry Piに比べてレスポンスは全然速い。まあ、それはあたりまえだけど、すごいねえ。
でも、HDMIにモニタをつながないとブートしない。debianがまずさいしょにモニタの解像度を確認してから立ち上がるなんていう設定になってるのかと思ってinit.dとかを見てみたけどそれらしいものはないし、ログになにもない。どうやらBIOSがそうしてるらしい。どうなってるのかとモニタをつなぐと立ち上がってしまうのでわからない。
またググると同じ事態に遭遇した人がいて、その人は結局ダミープラグを作ってBIOSを騙す(なんか暴走して3号機をぐちゃぐちゃにしそうだな)方法を使ったらしい。BIOSがやっててその設定が変えられないなら、そうするしかない。HDMIやVGAはDDCという規格があってI2Cでホストはデータをやり取りして何が繋がってるのかを知るんだけど、それをシミュレートするのはけっこう大変。
しかし、VGAのほうはDDCが決まる前にあったので、ホストはいろいろな方法でどんなモニタが繋がっているかを調べたり、ホストの実装によっては全然調べなかったりする。LivaはDDCに従っていないモニタでも、繋がっているかどうかぐらいは調べるようで、どうやらRGBそれぞれの終端抵抗があれば繋がってるとみなすらしい。高周波の反射を見るのは大変だろうから電流が流れるかどうかだけを見てるんだろう。すると抵抗値なんて適当で倍半分違っててもいいはずなので、うちに転がってる適当な抵抗の足をハンダで太らせてコネクタに刺した。
うわ、カッコわる。いかにも長期信頼性に問題がありそうに見えるけど、とりあえずはまあいい。
やっとのことで、前もって買ってあったUSB接続の箱に玄箱のHDDを入れてLivaにつなぐとちゃんとマウントできた。ファイルシステムは壊れていないらしい。玄箱はこのHDDからブートするようになってたので、スワップ専用パーティションとか含めて細切れになっていた。一旦中身をバックアップして、フォーマットし直して戻そうと思う。
どうやらHATさんによると、netatalkはdebian jessieではパッケージからはずれたらしい。たしかにapt-getでnetatalkを知らないと返ってくる。ここを見るとnetatalkの安定版3.1.7をjessieにインストールするための方法が書いてある。依存するたくさんのパッケージをインストールして(これはソースからコンパイルするために必要なものが多い)ビルドする。僕の場合はこれに加えてlibgpg-error0パッケージを入れないとリンクでgpg_errorが解決できないと怒られた。
netatalk3.1.7はdebianパッケージじゃないのでインストール場所はデフォルトでは/etcなどではなくて、セットアップは/usr/local/etcに、実行ファイルは/usr/local/sbinにインストールされるが、問題なく設定される。afpは問題なく動いた。ところで、これどうやったらTimeMachineボリュームになるんだっけ?もう昔のことで忘れてしまった。
なんか、最新の機械の前で、とんちんかんなことをしてはおたおたしてる年寄りそのものだな、ほんとに....
ところで、これは僕がバラしたせいで壊れたのではなく、壊れたのでバラしてみたところなので、おまちがいないように。
この玄箱は仙台に行く前に買ってdebianを入れて、仙台にいる間にIDE→SATA変換基板を滑り込みで買ってHDDを2TBに入れ替えて、そのまま持って帰ってきてうちのネットワークにつないでいた。だからたぶんもう10年近くになる。ということは10年間電源入りっぱなしだった。3日以上止まったのはたぶん震災の直後だけ。外装のプラスチックが指で触るだけでポロポロ崩れる。「俺はもう疲れた」って言ってるみたい。
でも、うちに無線で繋がるTimeMachineがないとやっぱり心配だし、息子のMBAはうちにしか全体バックアップがない。どうしようか....
最初はRaspberry PiのB+にHDDを抱かせて有線接続しようかとも思った。でもタンスの上のすみっこに置きっぱなしになるので、ケースに入れないといけないだろうし、うちの中ではいつの間にか有線は1000Base-Tで無線は.11nかacになっていて、どうもRaspberry Piでは非力かなあと思った。
そこでふと見つけたのがLivaという小さいWindowsマシン。出てからもうずいぶんなるらしいけど、僕は全然知らなかった。ハードウェア的にはRaspberry Piに比べればずっと強力で、なのに値段は実売でRaspberry Piの3倍ほどで、それはこれまでに僕が玄箱本体に投資した金額と同じくらい。驚きである。GPIOみたいな外とのインターフェイスが要らなくて、でもRaspberry Piでは非力、というようなアプリケーションにはいいかもしれない、ってどんなだかよくわからないけど。
シリーズはアップデートされて今はLiva X2になってるらしいけど、僕には外装以外どこが違ってるのか理解できないので、新しいのより安い方と考えて初代(だと思うけど)のメモリ2GBストレージ32GB(eMMCという規格のフラッシュらしい)を、先週工場にいる間にぽちってあった。
見るからに小さくてしょぼいチープな感じの外装デザイン(だけど中を開けて基板を見ると結構しっかりと設計されているようで、基板の上の部品もぎちぎちの実装ではないけど最適化された配置に見える)。取説には組み立て方とかあったけど、開けてモニタとキーボードと電源をつなげばあっという間にWindows8.1が立ち上がった。僕はWindowsは全然ダメで、持っていても豚に真珠猫に小判宝の持ち腐れなので、立ち上がることが確認できたらすぐdebianを入れることにした。
Livaがリリースされた頃はdebianはwheezyでインストーラがeMMCに対応してなかったらしいけど、jessieだとOKとあったので、MacBookでnetinstを落としてきて、その辺に転がってたUSBメモリにコピーした。
そこにたどり着くまでにいろいろあった。debianのサイトは全方位対応のインストールを考えているらしくて、膨大な量の記述があるけど、普通にやるにはどうしたらいいか凄くわかりにくい。最初インストールCDを落とそうと思ったら全部で5GBぐらいある。サイトには「httpで落とすな、jigdoを使え」とあったのでまずそれを落としたらOS Xでは使えない。arm版があったのでRaspberry Piのjigdoをインストールして落とそうと思ったら、Raspbianのaptに無くて、ソースを落としてきてちんたらコンパイルしてたら、あれがないこれが要るとか言われて全然進まない。
あとになってnetinstがあると知った(最初に気がつかなかった僕が悪いけど、サイトも悪いぞ)。そっちは300MBぐらいだったのでなんとか落としてきたけど、そのisoイメージをインストールの時にどうやってマウントするのかわからない。サイトをぐるぐるしても具体的にどうすればいいのか全然わからない。結局他所様のサイトで、USBメモリに単にddでバイトワイズのコピーしてそこからブートするように設定するだけでいい、というのを知ってあきれた。そうならそうと書いてくれよ。今はそんな簡単になってるなんて、年寄りは知らないじゃん。
だいたい、debianのサイトは情報がフラットなんだよ。何が必要でなにがいらないか、中身を読むまでわからない。保守性の強さと網羅主義がこういうところに悪さしてるんじゃないのか。
などとブチブチ文句を垂れながら、LivaのUSBポートに挿してBIOSでブートの優先順位を変えればいい、ということまではわかったけど、BIOSの設定モードに落ちずにすぐWindowsが立ち上がってしまう。deleteキーの押し方やそのタイミングなのかと何回もやり直したけど全然上手くいかない。また他所様をググって、デフォルトでファストブートが設定されていてそれだとタイミングが厳しくなる、ということを知った。そんなのがあるのかよ、だってWindowsなんて知らないもん。取説に一言でいいから書いてくれてればいいのに。これも普通の人にはあたりまえなのか。
ヘッドレスで使うつもりなのでKDEなんかのデスクトップやブラウザは入れないで、代わりにsshを入れる設定でインストールしたら30分ほどでdebianが立ち上がった。拍子抜けするほど、えらい簡単。sshでログインするとRaspberry Piに比べてレスポンスは全然速い。まあ、それはあたりまえだけど、すごいねえ。
でも、HDMIにモニタをつながないとブートしない。debianがまずさいしょにモニタの解像度を確認してから立ち上がるなんていう設定になってるのかと思ってinit.dとかを見てみたけどそれらしいものはないし、ログになにもない。どうやらBIOSがそうしてるらしい。どうなってるのかとモニタをつなぐと立ち上がってしまうのでわからない。
またググると同じ事態に遭遇した人がいて、その人は結局ダミープラグを作ってBIOSを騙す(なんか暴走して3号機をぐちゃぐちゃにしそうだな)方法を使ったらしい。BIOSがやっててその設定が変えられないなら、そうするしかない。HDMIやVGAはDDCという規格があってI2Cでホストはデータをやり取りして何が繋がってるのかを知るんだけど、それをシミュレートするのはけっこう大変。
しかし、VGAのほうはDDCが決まる前にあったので、ホストはいろいろな方法でどんなモニタが繋がっているかを調べたり、ホストの実装によっては全然調べなかったりする。LivaはDDCに従っていないモニタでも、繋がっているかどうかぐらいは調べるようで、どうやらRGBそれぞれの終端抵抗があれば繋がってるとみなすらしい。高周波の反射を見るのは大変だろうから電流が流れるかどうかだけを見てるんだろう。すると抵抗値なんて適当で倍半分違っててもいいはずなので、うちに転がってる適当な抵抗の足をハンダで太らせてコネクタに刺した。
うわ、カッコわる。いかにも長期信頼性に問題がありそうに見えるけど、とりあえずはまあいい。
やっとのことで、前もって買ってあったUSB接続の箱に玄箱のHDDを入れてLivaにつなぐとちゃんとマウントできた。ファイルシステムは壊れていないらしい。玄箱はこのHDDからブートするようになってたので、スワップ専用パーティションとか含めて細切れになっていた。一旦中身をバックアップして、フォーマットし直して戻そうと思う。
どうやらHATさんによると、netatalkはdebian jessieではパッケージからはずれたらしい。たしかにapt-getでnetatalkを知らないと返ってくる。ここを見るとnetatalkの安定版3.1.7をjessieにインストールするための方法が書いてある。依存するたくさんのパッケージをインストールして(これはソースからコンパイルするために必要なものが多い)ビルドする。僕の場合はこれに加えてlibgpg-error0パッケージを入れないとリンクでgpg_errorが解決できないと怒られた。
netatalk3.1.7はdebianパッケージじゃないのでインストール場所はデフォルトでは/etcなどではなくて、セットアップは/usr/local/etcに、実行ファイルは/usr/local/sbinにインストールされるが、問題なく設定される。afpは問題なく動いた。ところで、これどうやったらTimeMachineボリュームになるんだっけ?もう昔のことで忘れてしまった。
なんか、最新の機械の前で、とんちんかんなことをしてはおたおたしてる年寄りそのものだな、ほんとに....
2015-11-12 22:40
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コメント(2)
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Time Machineの設定はそのページに書いてあります。
libgpg-error0の件は知りませんでした。今調べたら既に張っていました。
libgcryptが使うのでしょうか。
by HAT (2015-11-13 01:30)
コメントありがとうございます。
TimeMachine設定は最低限たった一行なんですね。もっと面倒だったように記憶していました。
libgpg-error0は全部見たわけではありませんが、makeできなかったエラーの出どころはlibgcryptでした。
by decafish (2015-11-13 11:19)