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選挙と台風 [日常のあれやこれや]

今日午後家族4人で雨風の中を投票に行ってきた。下半身がぐしゃぐしゃ水浸しになって帰ってきた。

選挙のあと、投票のためにうちに帰ってきた娘と話した。政治の話ではなく(小選挙区制は最悪という話はしたけど)選挙のたびに思うんだけどなぜ政治家たちはPA(Public Address)を整備しないのかということである。今回の選挙でもニュースや街頭で彼らが演説する姿を見た。たいてい割れた音で聞きづらい。勢いはあるかもしれないけど、何を言ってるのか聞き取りにくい。特に僕は若い頃突発性難聴を患って耳が悪いせいもあるけど。

街頭でエコーキャンセルは無理だとしても、ちょっとしたイコライジングで聞き取りやすさはずっと改善するはずである。そしていつも気になるんだけど、みんな必ずマイクを束にして持っている。マイクにつながるシールドケーブルは非常に重いもので、束になると捧げ続けるのにも力がいるし、体の動きはかなり制限される。また、束になったマイクのせいで顔の下半分は聴衆からは見えづらくなる。

例えば下の写真を見てもらいたい。
1022publicaddress.jpg

上の小池君の右手は挨拶するように上げられているが左手は死んでいる。またマイクのせいで口元は見えない。下の聴衆から見れば顔半分がマイクに隠れるはずである。一方トランプ君は両手がフリーで(上からのショットのせいもあるけど)顔全体を見ることができる。ニュース映像を見てもらえばわかるけど、トランプ君が演説でマイクを手にしているシーンはほとんど見つからない。巨大なフットボールスタジアムでの演説であっても音が割れることなんてないし、録音では完璧なエコーキャンセルがされている。語られる内容は別にして、トランプ君の方が人を説得しようというボディランゲージが感じられる。

前大統領のオバマ君も全く同じで、上半身は完全フリーで小さなマイクが2本肩のあたりを狙っているだけ以外のシーンを探すのは難しい。一方、日本の政治家の演説のニュース映像で、両手をフリーにしたシーンを僕は見たことがない。前も書いたけど技術的には米国でできることが日本でできないなんてことはない。

政治家は人を説得するのが仕事のひとつである。そのときに話す内容にも増して、顔の表情やボディランゲージは重要だし、ましてや話す言葉が聞き取れない、なんてことはもってのほか、のはずである。なのに彼ら日本の政治家たちはそろってそういう「他人に伝える」という姿勢に無頓着なように見えるのはなぜなのか?

状況からそうせざるを得ない、という話をよく聞くが、それは本末転倒である。なんのための演説なのか。PAとは音楽ライブやステージ用語ではなく、本来は演説のためのものだった。

たったそれだけの障害のために彼らの訴えは言葉を組み立てた論理としてではなく、我々には音響の塊としか認識できない。主張する人間としての表情は奥まったところに隠されて、何か言ってる、ぐらいにしか我々には伝わってこない。

そもそも、演説でのPA整備なんていう簡単な、技術的には何の問題もない事柄さえ状況に絡め取られて改善できない人に、改革を訴えられても「そりゃ無理だろ」「心にもないことを」としか思えない。

今回は台風のせいでまたさらに投票率が下がるんだろうけど、それは投票する側の問題だけでなく、される側の姿勢にも大きな問題があるとしか僕には思えない。


ところで、低気圧が急速に近づくと、僕は子供のころの膝関節炎のあとがしくしく痛む。なぜかはよくわからない。また耳の患いのせいかいっしょに頭が痛くなることもある。今回の台風はそれがひどい。なのに明日は朝から工場出張なんだよな。

厳しい。
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