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イヤホンを買い替えた [日常のあれやこれや]

仙台から帰ってきてすぐころに買ったイヤホンがくたびれてきて、高音が出なくてもこもこ言うようになったので買い替えようと思った。それは変哲のないカナル型だったので、どうせならBluetoothの、ノイズキャンセルの、と思って探した。どれも結構お高い。僕は若い頃のいわゆるロック難聴のうえに30歳前に突発性難聴を患って高音が聞こえないので、いわゆる「ハイレゾ」なんかは必要ない(耳が正常でもまったく必要ないと僕は思っているけど)。安いのを探したら、ソニーのMDR-NWBT20Nというのが6千円ぐらいで安かったのでAmazonで買った。

ところが届いてみると満充電しても電源が入らない。どうやらバッテリが完全にヘタってるらしい。古い機種だったのでおそらく充電されないまま倉庫で眠っていたやつだろう。交換してもどうせ同じようなものが来るんだろうから返品した。

他にないか探したんだけど、やっぱりみんな立派で結構なお値段がする。どうせすぐ壊れるようなものに2万も3万も出す気になれない(仙台に行ったばかりのころに国内メーカからノイズキャンセルが出だして嬉しがって続けて2台買ったんだけど、どれもあっという間に壊れたのでやめた)。Bluetoothかノイズキャンセルのどちらかを諦めることにして安いのを探して、TaotronicsというところのTT-EP002というのを買った....

本家サイトには製品紹介がないのでディスコン品のようである(.jpには残ってた)。AmazonのTT-EP002のページには「接続方式 無線」と書いてあるけど、ウソ。写真にプラグが映っているのですぐわかる。

Taotronicsなんてところは聞いたこともなかったけど、最近の家電は知らないところの方がずっと多くなってる。TaotronicsはAbout UsをみるとSunvalley groupという米西海岸にある中華メーカの子会社らしい。今いる会社のお客さんにも本社は西海岸にあるけど、CEOは技術畑の中国系で工場は中国にある、というところがいくつかある。Sunvalley groupもできて15年ほどですでに自社製品を抱えるかなりの規模の会社になってる。「電子立国」は遠くなりにけり、僕が何で飯を食ってきたのか忘れそう。

それはいいとして、Amazonで注文すると翌日に届いた。超早い。
0309tao.jpg
左がこれまでのYAMAHAので、左が今回のTaotronics。Appleみたいなオッサッレッなパッケージに入っていて、早速使ってみるととくに悪いところはない。ノイズキャンセルもちゃんと効いて、人が話しているのはわかるけど何を言ってるのかはわからない、というようなレベル。僕は鳴っている音楽に差し障りがない限りは音質なんて聞き手の思い込みが9割と思っているので、全体的には「優良可不可」でいうと「良」のレベルと言える。

しかし、外に出るとケーブルの風切り音が直接響いて何が鳴ってるのかわからないぐらいの時がある。今まで使っていたのもこれほどではないけど無くはなかったので、こんなものかと思っていたけど、風が正面から来るときにひどくて横からだとほとんど気にならない。しかも風切り音がするときにはノイズキャンセルをONにするとひどくなる。

なのでこれはケーブルではなくて外装シェルによるもので、おそらくノイズキャンセル用のマイクが外装の風を切ってる部品の近くにあって、それを環境音と一緒に引き算してしまっているんだろう。つまり見た目を優先して実使用状態での検討を設計が怠った結果ということである。外装の形状としてはもっと丸っこいものにして風切り音を減らすべきだった(「風切り音を減らすシェル形状」なんていう特許はありそう)。マイナス10点。

これまで使っていたごく普通のもそうだったんだけど、ケーブルに耳が引っ張られる。ずっと昔使っていたER6iについてたクリップを使ってたけどとうとう壊れたのでマグネット式のを自分で作ってそれ以降使っていた(上の写真の左にあるちょこっと青いのがそれ)。今回のはちょっとケーブルがゴツい目なのと胸あたりにくるバッテリの入ったコントローラが軽いとはいえ、ぶら下げると耳には負担になる。またクリップを自作することにした。

近所の百円ショップで名札用のクリップとネオジのマグネットを買ってきた。
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クリップのいらないところをニッパで切り落としてマグネットをつけて
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コントローラ側にも接着した。
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シャツの前立てにクリップをつけてコントローラをマグネットでつければ
0309wearing.jpg
具合良くはなったけど、こんなでかいマグネットである必要はなかった。せっかくコントローラが小さくまとまってるのにマグネットがデカくてカッコ悪いうえに重い。

イヤピースがカナル型(耳栓型)で高い音はそこで遮られるのでキャンセルの必要はない、という思想なのか、外では車の走行音なんかはかなり小さくなるけど、小さな子供の「キャー」とかいう叫び声は結構聞こえる(しかしどうでもいいけど、あの2kHzにせまる「キャー」はなんとかならんか。突発性難聴をやってから高くて大きな音は「がりがり」と割れたような音に聞こえる。近くでやられると、子供の頭をごん、とやりたくなる。耳が悪くなるのは周波数応答が悪くなるだけではなく線形性も劣化することだというのを「キャー」のおかげで知らされた。あれ、親が叱るとよけいするんだよな。うちの子は二人ともやらなかったので助かったけど)。

ノイズキャンセルにはマイクやドライバユニットを含めた全体の位相特性が重要なので周波数が高くなると難しくなる。デジタルだとアナログに比べて位相操作の自由度は上がるし、マイクもMEMSですごく小さくなってるので$f_0$もかなり高くて、結局ドライバの$f_0$で位相が決まるのかもな。そうだとすると、キャンセルする周波数はドライバの$f_0$までにすると簡単だけど、ドライバの$f_0$ってどのくらいだろ。1kHzはないだろうな。そうするとあの「キャー」は無理だよな。

それでも、昔買ってあっという間に壊れた(どれもドライバユニット付近の断線)のに比べてノイズキャンセルはそれほど悪いというわけではない。で、値段は半分ほどなのでよしとしよう。と思っていたけど、さっきノイズキャンセルをオンにしていて、たまたまバッテリが切れたときに「ぼこぼこ」とすごく大きな音がしてノイズキャンセルがOffになった。こういうのはソニーやAppleの製品ではあり得ないよな。さらにマイナス10点。

通話用のマイクは右側ユニットから15cmほど離れたリモコンの中に入ってるらしい。「ノイズキャンセリングマイク」と言っているので、本体ユニットのノイズキャンセル用マイクの音を環境音とみなして引き算してるのか。僕は外でマイクを使うことはないので効いてるのかどうなのか全然わからない。このマイクを商品説明ではわざわざ「MEMSマイク」と言ってるけど、ノイズキャンセル用のマイクもMEMSじゃないの?今更感が。どうせなら「MEMSドライバユニット」とか言って欲しかった(低音のダイナミックレンジが取れたらすごい。僕は仙台でSiじゃない材料の高アスペクトエッチングで苦労してたんでよく知ってる。MEMSは面白い。超ゴツい設備がたくさん必要なので個人でできるようなものじゃないけど、チャンスがあればまた挑戦してみたい)。



ところで、これまで使っていたのが古くなって高音が出なくなったとばかり思っていたが、どうやらそれは濡れ衣で、僕の聴力の周波数特性のほうの劣化がそもそもの原因らしい。高音が聞こえないのはイヤホンを新しくしても変わらなかった。
なんとも悲しいオチ。
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