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仕事で困ってること [日常のあれやこれや]

実は、僕はちょうど3年前、ある有名なレンズ設計用ソフトの営業とケンカしてそのソフトが使えなくなっていた(そんなの、いらねいやい!と、メールで啖呵を切った。「酸っぱいぶどう」そのまんまやがな)。ところが最近お客さんからその「レンズ設計用ソフト」で読めるデータをよこせと言われることがある。そのソフトの機能で、中身は読めないけど光線追跡したり、他の光学系の中に組み込んだりできる「ブラックボックス」というのがあって、そのデータを要求されるようになった。

昔だったら、ごめんなさい出せません、必要な計算はこちらでします、と言ったんだけど、最近それが通用しなくなってきた。データが出せないというと
客:「では、どうやって設計したんだ?」
僕:「自分で書いて...」
客:「(なんだ素人か...)」
という反応をされることが増えた。このエレメントの設計に最適化による収束計算は必要ない、と説明してもこれでたいていのお客さんはこれで話は終わり、という姿勢になる。

特に米国では、光学素子のメーカは「ブラックボックス」にもなっていないナマのデータを提示するところも増えている。ガラスプレスの回折限界単玉非球面レンズなどは、設計よりも作る方がずっと難しいので、顧客の要求に答えられるところは積極的にそうしよう、ということだろう。

どうせ僕は多群ズームなんかの設計はしなくて、レンズ設計といっても仕事で必要なのはせいぜいガラスやプラの単玉非球面レンズで、それ以外は「レンズ設計ソフトウェア」の最適化ではできない、あるいは効率の悪い設計で、それがある意味僕のニッチでもある。従って汎用ソフトがないならないでそれほど困らない。そうでなければあとは汎用のエレメントを組み合わせるだけなので、光線追跡して評価ができれば十分である。

それにきっとソフトの営業では僕がブラックリストに入ってるだろうし。いや、もういちどライセンス受けたいといえば、ニコニコしながら売ってくれるだろうけど、それって、よけい悔しいなあ。ニコニコの顔の下に「ざまあ」と大書きしてあるようなもんだよなあ。

しかしすぐに
社長&営業:「なんで客先に必要なデータが出せないんだ?」
僕:    「ソフトの営業と喧嘩しまして」
なんてことになって、そうなると馬鹿野郎呼ばわり間違い無いよな。ごまかしててもすぐバレるよな。そもそもここにこうやって書いたらおしまいだもんな。

困ったなあ。
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