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ベテルギウス [日常のあれやこれや]

デモの運び出しが来週に迫ってその準備をしないといけないのに、なかなかやる気が出ない。なんでだろ。ついつい後回しにして他のことをしてぼーっとしてしまう。

ということで(何がだ)、去年末ごろからさかんにネットで「Betelgeuse, Faint」というのが目に入る。ベテルギウスが急に暗くなってると、ガイナンさんという、なんだかエンタープライズ号のラウンジにいそうな名前の人がみつけたらしい。

インターネットの時代らしくAAVSOという、いろんなところが測定した変光星の光度をまとめてプロットしてくれているところがある。僕もガイナンさんの真似をしてベテルギウスの直近のデータをプロットしてみると
BetelgeuseUBV.png
で、去年の10月ごろから1等級ぐらいおちている(Uは近紫外Bは青Vは可視のフィルタを通した光度)。いつからUBVのデータがあるのか知らないけど、ここ30年くらいはずっとVバンドで0.5等ぐらいを行ったり来たりしてたらしい。1等落ちると言うことは、えーっと5等で100倍ということ(デシベルとか地震のマグニチュードとかそれぞれ係数が違うのでわからなくなる)なので3〜4ヶ月で半分以下に落ちてると言うことになる。

もともとベテルギウス(アメリカ人は「ビートルジュース」と呼ぶようである。それを聞くと僕の脳内で甲虫をミキサにかけるシーンが再生される)は変光星でガイナンさんによれば425日と5.9年の2重周期らしくて、たまたまそれが重なっただけという可能性もあるらしい。

ニュースサイトによっては超新星爆発するのではなんていう記事が読める。アルマ望遠鏡によれば変形しているらしいので不安定化しているのかもしれない。しかしいくら赤色超巨星の寿命が短いとは言え、実はもう何十万年も前から不安定化していて、だから400年前にバイエルさんはリゲルと比べて、たまたまその頃明るかったベテルギウスの方を$\alpha$としたのかもしれない。

ところでこのアルマの写真はすごいな。干渉像じゃなくて単純な強度像なの?こんな卵の黄身を落として箸で突いたみたいなのが見えるなんて、ほんとなのかな。



しかし、超新星になったら観測された中ではダントツに近くて、すごいことになるはずなので見てみたいけど、そのあとオリオン座の右肩には高速で広がる残骸だけになる(中心核が中性子星になってはじき飛ばされて、すごい接線速度で移動するパルサーになるかもしれない。最悪の場合AMラジオは使えなくなるかも)。僕は目が悪いので裸眼で見える星は、今では太陽と月だけだけど、オリオン座の鼓型にきれいに並んだ7つの星は、僕でもメガネをかければ見える。あの形が変わってしまうのはなんか残念な気がする。

でも、どうせ近いうち(といっても十万年単位だけど)に超新星になるんだから、僕が生きてる間に見たいもんだ。 そのあとの人たちには、いろんなスペクトルで光りながら広がり続ける残骸を指差して
「あそこにベテルギウスという赤い星があったんだよ」
なんて言うのもいいもんだ。
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